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父親による“教育虐待”に恨み募らせ…両親殺害の元九大生(当時19)、福岡高裁は一審の懲役24年を支持し、控訴棄却

佐賀県鳥栖市の実家に帰省した際、両親をナイフで何度も刺し殺害したとして1審で懲役24年の判決を言い渡された元九大生の長男(当時19)の控訴審で6日、福岡高裁は一審判決を支持し、控訴を棄却した。長男側は、幼少期から学校の成績めぐる叱責や暴力などの“教育虐待”があり、その報復として父親を殺害したことを認める一方、「母親は殺すつもりはなかった」として、起訴内容を争っていた。

背景に父親による“教育虐待”弁護側は保護処分を求めるも一審は懲役24年の判決


去年3月、鳥栖市の実家で両親をナイフで刺して殺害したとして、当時19歳だった元九大生の長男が殺人の罪に問われていた裁判。去年9月、佐賀地裁で行われた裁判員裁判で、長男は父親の殺害については、幼少期から受けてきた説教や暴力への「報復」だったとして犯行を認めた一方、仲裁に入った母親への殺意は否認していた。弁護側は、少年院送致などの保護処分か、刑罰であっても懲役5年が相当と主張していたが、一審で佐賀地裁は母親への殺意を認定した上で、「2人の被害者が亡くなるという犯行結果は極めて重大」として懲役24年を言い渡していた。

福岡高裁は控訴棄却


弁護側は1審の判決を不服として控訴。ことし1月、福岡高裁で開かれた控訴審で、長男の弁護側は父親から受けた深刻な虐待被害が犯行に影響を与えたことを示す鑑定人の報告書などを証拠として提出しようとしたが、裁判所は採用しなかった。6日、福岡高裁で開かれた判決で、松田俊哉裁判長は、「一審判決は、犯行動機に関し、被告人が父親から虐待を受けたことが大きく影響している旨説示しており、虐待の影響を軽視しているとは言えない」として、一審が下した懲役24年の判決を支持し、控訴を棄却した。

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