「閉経したら女は終わり」「“ホットフラッシュ”はオバサンの象徴」 ネガティブなイメージでタブー視されてきた「更年期」が語られる時代がやってきた!
2月開催された世界最大級のフェムテックイベント。主催者によると、50代以上の来場者数は、前回2022年開催時の倍以上だった。これまで語られてこなかった「更年期」が注目されている。
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海外の最先端サービス
例えば、ゲーム感覚で骨盤底筋を鍛えることができるイギリスの商品。イギリスの国民保健サービスと連携しており、イギリスの女性は医療機関などを通じて無償で利用できるという。(この商品は日本でも販売されている)ポップなデザインで、とてもネガティブなイメージはわかない。
そのほかにも、自宅で手軽に体調チェックでき、そのデータを主治医と連携、治療につなぐことができるデバイスなど、日本よりも一歩も二歩も進んだ商品が並び、来場者たちから注目を集めていた。
日本のフェムテック開発は難しい!?そのわけは…
日本で「フェムテック」という言葉に関心が高まった2020年初頭。コロナ禍で人々の「おうち時間」が増え、“自分をいたわること”に一気に関心が向いた。
海外に比べるとスタートは遅かったものの、日本でも急速にフェムテックブームが広がっている。イベントを開催したフェルマータのCOO近藤佳奈さんによると、今回のイベントで経済産業省や厚生労働省が登壇したことに、海外の起業家たちからは驚きと称賛の声があがったという。
しかし、「市場の掘り起こしや商品やサービスの開発」となると、そう簡単ではないという。
日本でも近年「生理」や「デリケートゾーン」に対応する商品は続々と誕生しているが、「更年期」に対応する商品の開発は遅れている。「更年期」は「生理」以上に語られてこなかった分野で、もっと言うと閉経後から亡くなるまでの女性の健康課題の研究はほとんど手つかず。
フェルマータCOOの近藤佳奈さんは、背景には複数の理由があると話す。
今まで女性たちは我慢することが当たり前で、苦痛を「言語化」することに慣れていない。更年期に直面する女性たちの多くが専業主婦として家にいた時代が長く続き、同年代と一緒に更年期について議論できるコミュニティーが少なかった。
もうひとつは、日本で、更年期に関する研究や、解決するための商品の開発をしようとしても、決裁する立場にいるのは多くが男性で、時間がかかること。その場に当事者がいないのだ。
こうした背景が、課題のシェアに繋がらず、企業も連動できず解決されなかったのではないかと語る。
更年期に対応する商品開発はまだこれから
しかし、フェルマータCOOの近藤佳奈さんは、「この世代の女性がこれからどんどん社会進出することで、課題解決されていくはずで、日本がこの分野を牽引していけば世界に先駆けていけると思う」と、希望のある言葉で締めくくった。
※画像提供:フェルマータ株式会社
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