玄海原発と川内原発の安全性は 約3年におよんだ審査でようやく認められた運転継続
東日本大震災と福島第一原発の事故から13年。原発に対する不安や不信の声は根強くあります。いつきてもおかしくない地震列島・日本。揺れや津波に備えた原発の安全性はどう担保されるのでしょうか。
目次
原子力規制委員会と九州電力のやりとり
国は、2021年に耐震設計の目安とされる地震の想定を見直し、全国10か所の原発を対象に地盤データの提出などを求めました。九州電力は、佐賀県の玄海原発3・4号機と鹿児島県の川内原発1・2号機の運転継続の許可を得ようと、2021年~2024年にかけて国の審査会に臨みました。しかし。
原子力規制委員会 22年1月21日
佐口浩一郎 上席安全審査官
「(地盤データの)12.5という数字を決められているのか、それともちょっとそこは根拠がなくアバウトに決められているのか、そこだけ少し教えてください」
九州電力の担当者
「おっしゃる通り最後は『えいや』と決めたところもありますので」
また、2022年12月の会合では、九州電力が提出したデータの矛盾を原子力規制員会が指摘すると、こんなやりとりもありました。
九州電力の担当者
「最終的な妥当性、保守性は確認できているものと我々は判断しています」
原子力規制員会 佐口浩一郎上席安全審査官
「何をもって妥当性とおっしゃっているのかまったく分からない」
原子力規制委員会は、九州電力が示したデータの根拠について、再三にわたり指摘しました。
原子力規制委員会 23年2月24日
山中伸介委員長
「非常に長い時間があったにも関わらず、九州電力の準備不足というのは否めないところかなと思っています。継続的な安全性向上についての取り組みに欠けがあったのではないかと考えています」
見直しの対象となった全国10か所の原発の中で、最後まで残っていた玄海原発と川内原発。約3年におよんだ審査の結果、2月7日にようやく運転継続が認められました。
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