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予報士泣かせの6月

突然ですが、問題です。年間で最も天気予報が当たらない月はいつでしょうか?

正解は、お察しの通り6月です……。九州北部において、6月の天気の適中率(3~7日先に雨が降るかどうか)は65%。1年で最も低く、3回に1回は予報を外すという、予報士にとってみれば恐怖の6月です。

なぜこうも6月は予報が外れやすいのでしょうか。その元凶は「梅雨前線」です。

一般的に、日本の天気は偏西風の影響で、西から東へ移り変わります。九州の西側に雨雲があれば、それが次第に九州にかかってくるだろう、と予想できます。

ところが、梅雨前線は東西ではなく、南北にうろうろと動き、ちょっとしたズレで天気がコロッと変わってしまいます。この南北の動きを予想するのは、現代のスーパーコンピューターをもってしても難しいのです。

予報が外れやすいこの時期は、予報に対する信頼が薄れてしまうかもしれません。

ただ、予報が外れやすい時はその分、情報がどんどん更新されていきます。だからこそ、いつも以上に情報をこまめに確認して、柔軟に対応できるようにしていただけたらと思います。もちろん、私たち予報士も、正確な情報をお伝えできるように努めていきます。
 

横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2024年6月8日掲載

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横尾槙哉