福岡のラーメン業界において、今夏もさまざまな“冷やしラーメン”が楽しませてくれています。この異常な暑さも関係しているのでしょう。例年よりも“冷製”や“夏限定”メニューを出す店が確実に増えており、「冷やしラーメンオーダー率が急上昇している」と店のスタッフも口をそろえます。今回は、僕的にハッとなった“冷やっこい”絶品新作ラーメン5杯を紹介。スープOFF系の冷やしでなく「グビグビと飲める冷製スープ」を張ったものだけを選りすぐりました。
キンキンに冷えた飴色醤油スープはさすが!と唸る完成度|「ざいとん」(香椎駅前)冷やし黒醤油らーめん(1,050円)
2009年に名古屋で創業し、2014年から現在の福岡市香椎へ。店主・橋本卓哉さんの代表作である台湾ラーメンや中華そばの芳醇な“出汁感”は、冷やしラーメンでも見事に表現されています。昆布、宗田ガツオ、サバ、イワシ節など多彩な乾物の旨味を凝縮した冷製スープをたまり醤油ベースのタレで味付け。ひんやりした口当たりの後に魚介の旨味が幾重にも広がり、グビグビと飲み干したくなる絶妙な塩け。刻み方にもこだわっている生タマネギ、ワカメの食感がいいアクセントとなり、茶碗蒸しのかしわをイメージしたという淡い味付けの鶏チャーシューも秀逸です。麺は「製麺屋 慶史」謹製の切刃20番の特注麺を合わせています。
【ざいとん】福岡市東区香椎駅前1-17-24/11:30~14:30、18:00~20:30/日曜休
冷やしラーメンでもゴリゴリ&ボリューミーな太麺を貫く|「福岡太麺NO-RAMEN」(井尻)ヒヤニク(生卵付き1,400円)
意欲的な太麺特化のニューカマーとして同連載でも以前紹介した行列店「福岡太麺NO-RAMEN」。7月14日に登場した夏メニュー「ヒヤニク」は、ラーメン好きのSNSでも毎日のように見かける大ヒットメニューです。
「これ冷やしラーメンなの?」って思えるほど豪快&ジャンキーなビジュアル。牛肉やネギ、卵も入っていて、麺もぶっといのですき焼きうどん風にも見えます。これがしっかりと“ひやっこい”んだからおもしろいですよね。何より、むちゃくちゃおいしかったです。
僕もこれまでいろいろな冷やしラーメンを食べてきましたが、まず間違いなく“最太”の麺。昨今話題の山口県「木嶋製麺所」謹製の麺「朧月(おぼろづき)」を合わせています。口の中で弾むような食感で、噛むごとに旨味が増幅する太麺が注目ポイントであることは間違いないんですが、あえて淡麗に仕上げた冷製スープもすばらしいですね。たっぷりと入った肉も甘く濃厚な味付けで麺もインパクト大。それらを優しく包むのが、厚切りカツオ節、昆布などの繊細な出汁感がたゆたうこのスープなんです。加えて、大きく四つ切りにしたネギも名脇役だと思いました。シャキシャキした食感が実によく効いています。自分のタイミングで卵黄を崩して楽しみ、卓上の昆布酢を少量加えて食べるのもおすすめです。
【福岡太麺NO-RAMEN】福岡市南区井尻5-8-1/11:00~14:00、18:00~20:00/月、木曜休
真っ白で美麗な冷製スープに惚れた!「ラーメン普通」(春日市)|冷やし貝白湯(1,000円)
冷凍庫でキンキンに冷やした涼やかなガラスの器に、“真っ白い”スープを満たして出されるのが春日市にある非豚骨の超名店「ラーメン普通」の「冷やし貝白湯」です。これまでも「全然普通じゃない」独創的なバリうまメニューを編み出してきた同店ですが、この冷やしにも僕自身深く感動しました。店主の森山恭行さんの手仕事が細部まで宿る名作です。スープの材料は昆布、シイタケ、アサリ。ブレンダーをかけることで綺麗な乳白色へと仕上がります。さらに、目の細かい布で丁寧に濾してあるので口当たりなめらかでピュアな味わい。油もアサリの旨味を詰めたものを使用。具材は淡いグリーンの貝ペースト、殻付きアサリ、シイタケ、鶏チャーシュー、刻みタマネギ、カイワレなどが入り、氷水でしめた麺まで含め拍手喝采の完成度。今夏絶対に外せない一杯ですね。
【ラーメン普通】福岡県春日市大和町4-24/11:00~15:00、18:00~21:00、土・日曜、祝日11:00~21:00/不定休
今夏も5、6種の冷やしラーメンが続々デビュー「らーめん はや川 高宮本店」(玉川町)|冷やしらーめん白(1,000円)、黒(1,100円)
味噌ラーメンで名を馳せる同店ですが、味噌以外のシーズナルメニューにも定評あり。中でも5、6種の冷やしラーメンが数週間で入れ替わっていく「はや川夏の陣」を毎年楽しみにしているファンもたくさんいます。
現在は、先立ってデビューした「冷やしらーめん白」(上写真1,000円、売切れ次第終了)と、7月22日に登場したばかりの「冷やしらーめん黒」(下写真1,100円)が楽しめます。前者はサバ、カツオ、イワシ節などを効かせた塩ダレベースで、後者はより煮干し感を強めた醤油系冷製スープ。共に生姜氷がプカリと浮き清涼感抜群です。
【らーめん はや川 高宮本店】福岡市南区玉川町11-11/11:00~14:30、17:30~21:00、土曜11:00~21:00、日曜11:00~20:30/無休
梅肉入り冷製ラーメン&ふわふわかき氷でひんやり度MAX「らぁ麺 辰山」(白金)|冷やし梅らぁ麺(1,100円)
最後の5杯目は、福岡市の新店最注目株であると同連載でも絶賛した「らぁ麺 辰山」です。
定番の醤油・塩・煮干に加えた、第4のメニューであるこの冷やしラーメンは、いま爆発的人気を誇っています。スープのベースは煮干し主体の和風出汁。煮干し油、ネギ油も加えたキンキンのひんやりスープは奥深い味わいで、塩けもいい感じで効いています。キーとなる“梅”は、溶かしながら楽しむ梅肉だけでなく、燻製チャーシューにも梅風味をさりげなくまとわせているなど店主・辰山響さんのこだわりが詰まっています。“打ち立て”の自家製麺も、氷水にさらして締めることで心地よい歯ざわりへと仕上がっていますね。すばらしい冷製ラーメン。
また、同店はラーメンと合わせ「ふわふわかき氷」も名物で、写真のいちごミルクのソースもイチゴ果肉本来の甘酸っぱさを生かした自家製。すべてにおいて一切妥協なし。それが辰山店主のモットーです。
【らぁ麺 辰山】福岡市中央区白金2-15-17/11:00~15:00、土曜・祝日~16:00(各LO)/日、月曜休
2026年夏に食べるべき福岡冷やしラーメン厳選5杯を紹介してきました。夏季メニューの販売期間はどの店も状況を見ながらで明確には決まっていませんが、少なくとも8月いっぱいまでは楽しむことができます。公式Instagramを随時チェックして食べに行ってみてください。
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