注文住宅を検討するとき、外観デザインや屋根の形にこだわりたい方もいるのではないでしょうか。
屋根には切妻屋根や寄棟屋根などさまざまな種類がありますが、すっきりとした見た目をつくりやすいのが陸屋根です。
一方で、「雨漏りしやすくないか」「メンテナンス費用が高くならないか」と不安に感じる方もいるでしょう。
陸屋根はデザイン性や屋上利用のしやすさが魅力ですが、勾配のある屋根とは異なる注意点もあります。
そこでこの記事では、陸屋根とはどのような屋根なのか、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
あわせて、注文住宅で陸屋根を採用するときの注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
陸屋根とは

陸屋根とは、屋根面の勾配がほとんどなく、平らに近い形状をした屋根のことです。
「ろくやね」や「りくやね」と呼ばれ、ビルやマンションだけでなく、戸建て住宅でも採用されています。
一般的な傾斜屋根のように三角形の形が外から見えにくいため、箱型で直線的な外観に仕上げやすい点が特徴です。
ただし、見た目が平らでも、実際には雨水を排水口へ流すためのわずかな勾配が設けられています。
屋根材で雨を流すというより、防水層によって雨水の侵入を防ぐ構造が中心になるため、防水と排水の計画が重要です。
注文住宅で陸屋根は採用できる?

注文住宅でも陸屋根を採用できます。
とくに、モダンな外観にしたい場合や、屋上を活用したい場合に選ばれることがあります。
ただし、地域の気候や建物の構造によっては、ほかの屋根形状のほうが適している場合もあります。
雪が多い地域では積雪への対策が必要になり、雨が多い地域では排水計画や防水性能がより重要です。
見た目だけで決めず、建築する地域の気候や土地条件も含めて検討しましょう。
陸屋根のメリット

陸屋根には、以下のようなメリットがあります。
すっきりとした外観にしやすい
陸屋根の大きなメリットは、建物全体をすっきりと見せやすいことです。
屋根の傾斜が外から目立ちにくいため、四角い形を生かしたシンプルでモダンな外観をつくりやすくなります。
窓や外壁の配置と合わせてデザインを整えれば、住宅全体に統一感を出しやすいでしょう。
屋上を活用できる場合がある
陸屋根は、構造や防水などの条件を満たせば、屋上として活用できる場合があります。
テーブルや椅子を置いてくつろいだり、洗濯物を干したり、子どもの遊び場として利用したりすることも可能です。
敷地が狭く庭を確保しにくい住宅では、屋上を第二の屋外スペースとして使える点が魅力です。
ただし、人が利用する屋上にする場合は、手すりや床材、防水なども含めた計画が必要です。
太陽光パネルを設置しやすい場合がある
陸屋根は、太陽光パネルの向きや角度を架台で調整しやすい場合があります。
屋根の勾配に左右されにくいため、日当たりを考えながら配置を検討しやすい点がメリットです。
ただし、パネルや架台の重さ、防水層への影響、メンテナンス時の動線なども確認しておく必要があります。
屋根上の設備を目立たせにくい
陸屋根では、屋上に設置する設備が地上から見えにくくなる場合があります。
太陽光設備や空調設備などを外観から目立たせにくくできるため、建物のデザインをすっきり保ちやすいでしょう。
陸屋根のデメリット

一方で、陸屋根には以下のようなデメリットもあります。
雨漏りへの対策が重要になる
陸屋根は傾斜が緩いため、雨水が自然に流れ落ちにくい特徴があります。
排水口が落ち葉やゴミで詰まったり、防水層が劣化したりすると、水がたまり雨漏りにつながる可能性があります。
そのため、防水工事の品質だけでなく、排水口の位置や数、オーバーフロー対策なども重要です。
定期的な防水メンテナンスが必要になる
陸屋根では、屋根面を守っている防水層の状態を定期的に確認する必要があります。
紫外線や雨風の影響で防水層は徐々に劣化するため、ひび割れや浮きなどを放置すると雨水が建物内部へ入り込む原因になることがあるのです。
新築時の費用だけでなく、将来の点検や防水工事にかかる費用も考えておきましょう。
屋根面が熱を受けやすい
陸屋根は屋根面が日差しを受けやすく、夏場に表面温度が上がることがあります。
断熱計画が不十分だと、最上階の室温が上がりやすくなり、冷房効率にも影響する可能性があるでしょう。
断熱材の種類や厚さ、屋根面の仕上げなどを設計段階で確認しておくことが大切です。
陸屋根を採用するときの注意点

陸屋根を採用する場合は、外観だけでなく、防水と排水の計画をしっかり確認しましょう。
とくに、排水口の周辺は落ち葉やゴミがたまりやすいため、定期的に点検や掃除ができる動線を確保しておくことが大切です。
また、屋上として利用する場合は、手すりの高さや転落防止、床の滑りにくさ、屋上へ上がる階段の位置なども考える必要があります。
屋上に家具やプランターを置く予定があるなら、荷重についても設計担当者に確認しましょう。
さらに、防水方法や保証期間、メンテナンスの目安は建築会社によって異なります。
施工実績や点検方法、将来の防水工事にかかる費用まで確認したうえで採用すると安心です。
まとめ
今回は、陸屋根のメリット・デメリットや注意点について解説しました。
陸屋根は、すっきりとした外観にしやすく、条件によっては屋上や太陽光設備の設置スペースとして活用できる点が魅力です。
一方で、雨漏りを防ぐための防水や排水計画、定期的なメンテナンスが欠かせません。
後悔しにくくするためには、デザインだけでなく、地域の気候、防水方法、排水計画、将来の維持費まで確認しておくことが大切です。
なお、住宅展示場では、陸屋根を採用した住宅の外観や屋上スペースを実際に確認できる場合があります。
図面や写真だけでは屋根の見え方や屋上の広さをイメージしにくいため、気になる方はモデルハウスを見学しながら、自分たちの暮らしに合う屋根の形を考えてみてはいかがでしょうか。

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注文住宅、新築住宅、不動産仲介、投資物件の営業など約20年間、不動産業界に従事しました。現在は宅地建物取引士の知識を活かし、不動産専門のWebライターとして、注文住宅を中心に不動産関連の記事を主に執筆しております。
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