生まれ育った大好きな故郷・福岡で、アナウンサーという夢をかなえられた喜びが胸に満ちている。それと同時に、この街に恩返しがしたいという思いが強く湧き上がっている。
7月28日に発生した熊本地震。午後のニュースに向けて準備をしていた時、社内にけたたましく警報音が鳴り響いた。高まる緊張感。先輩に支えられながら伝えた地震速報。初めてのことで混乱状態だったが、とにかく落ち着いて正確な情報を届けようと必死だった。
そして初めてのリポート現場。ディレクターから指示が飛ぶ中、画面に映り、その場の雰囲気を伝えるのは自分しかいない。事前に何度も練習を重ねたが、実際は、想像通りにはいかなかった。そこからは、準備した言葉だけではなく、その瞬間に生まれた自分自身の感情の揺れを言葉にして伝えることの大切さと、難しさを学んだ。
放送を聴いている人にとっては伝え手が新人か、そうでないかは関係ない。災害時には私たちアナウンサーの言葉が命や生活を守ることにつながる。あの日の放送やリポート現場での経験を通して、言葉を届ける仕事の責任を痛感した。大好きな地元でエリアの皆さんの毎日に寄り添い、防災や安心な暮らし、日々の幸せに貢献できるアナウンサーを目指し、言葉を大切に届けていきたい。
8月29日(土)毎日新聞掲載
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