気温が30度を超える「真夏日」が続くと、庭やテラスで過ごしたいと思っても難しいですね。近年さらに厳しくなってきている暑さへの対策として、新築住宅への導入を検討するご家庭が増えているのが「ミストシャワー」です。
今回は、家庭用ミストシャワーを設置するメリットや効果的な使い方、新築時に確認しておきたいポイントについて紹介します。
ミストシャワーを設置するメリット

ミストシャワーは、霧状の水を周囲に噴射する設備です。DIYで後付けするタイプもありますが、暑さ対策以外の使い方もできるよう、新築時に設備として設置するのがおすすめです。主なメリットをご紹介します。
冷却効果
水が蒸発するときに周囲の熱を奪う「気化熱」を利用した冷却効果は、ミストシャワーの大きなメリットです。細かな霧状に変えて噴射することで水が蒸発しやすくなり、熱を奪う効果が高まります。
加湿効果
ミストシャワーから噴射される細かな水滴は、周囲の空気に水分を加える働きもあります。庭や玄関アプローチなどに設置すれば、周辺の植物を適度に潤すことができ、水やりの負担が減らせる点もメリットです。
リラクゼーション効果
水を霧のように広げるミストシャワーで暑さがやわらぎ、加湿効果によって空気がやわらかくなると、暑い季節でも屋外で過ごしやすくなります。気温が高い時は水の粒が軽く肌に触れる感覚が心地よく感じやすいので、椅子に座りながらミストの噴射範囲に近い位置で過ごすと、屋外の開放感と相まってリラックスできるでしょう。
ホコリの制御
ミストシャワーの微細な水が、空気に適度な水分を与えると、乾いた地面から土やホコリが舞い上がりにくくなります。風がほとんどない日にミストシャワーを使えば、すっきりした空気の中で過ごせます。
ミストシャワーを効果的に使うポイント

ミストシャワーの持つメリットを最大限生かすには、設置場所や使い方の工夫が必要です。ミストシャワーを効果的に使うポイントをまとめました。
日陰と組み合わせる
ミストシャワーを使う場所は、直射日光が当たる場所よりも日陰になる場所が適しています。冷却効果がより強く感じられ、涼しく過ごせます。
風通しを考える
ミストシャワーの冷却効果は、水が蒸発することで得られるため、蒸発を促せるよう適度に風が通る場所に設置するのがおすすめです。ただし、風が強すぎるとミストが流されてしまいますので、建物や塀などとの位置関係を考えながら計画するとよいでしょう。
使いたい場所に合わせて配置する
ミストシャワーの性能にもよりますが、ミストが届く範囲は一般的に直径2~3mです。庭全体にミストを広げたい場合は数が必要になり、それだけ設置工事も複雑化して工事費が上がりますので、家族が過ごすベンチの周辺や家庭菜園の近くなど、ミストを使いたい場所に合わせて配置しましょう。
ミストシャワーを設置するおすすめの位置

ミストシャワーを導入するなら、冷却効果や加湿効果を発揮できる場所に設置したいですね。おすすめの設置場所をご紹介します。
庭・ウッドデッキ・テラス(軒下)
家族で過ごす屋外空間として人気のウッドデッキやテラスの軒下は、ミストシャワーの設置場所としておすすめです。雨に濡れにくく、夏の強い日差しを避けながらミストを利用できます。庭の一角にパーゴラ(日よけ棚) を設置して、専用配管を行う方法は見映えがすっきりして外観を損ないません。
玄関まわり(アプローチ・ポーチ)
日当たりのよい玄関ポーチやアプローチは夏場に高温になりやすいため、その近くに設置すると、ミストによって周辺の暑さをやわらげることができます。床が濡れると滑りやすくなるので、ミストの噴霧範囲は事前によく検討しましょう。
ガレージ
車の手入れやDIY、荷物の整理など、屋外で作業する時間が長いガレージも、暑さ対策としてミストシャワーが役立ちます。屋根付きのガレージなら、直射日光を避けながら利用できて便利です。車や電気設備などに直接ミストがかからないよう計画してください。
新築時の計画のポイント

新築でミストシャワーを取り入れるなら、設備だけを後から追加するのではなく、外構計画と一緒に考えることが大切です。
水圧の確認
ミストシャワーでは、細かな霧を安定して噴射するために一定の水圧が必要です。もし水道の水圧とミストシャワーの仕様の関係で水圧が不足する場合は、加圧ポンプなどを追加で設置する必要があります。使用する製品が決まっていたら、必要な水圧や給水条件をあらかじめ確認し、施工業者に相談しましょう。
配管・配線の隠蔽
ミストシャワーを後付けすると、配管が露出となり目立ちやすいため、新築時に住宅や外構の計画に組み入れて隠蔽配管にしましょう。住宅の外観やエクステリアデザインに影響が出ず、スッキリとした仕上がりになります。
排水対策
ミストシャワーを設置するときは、「水をどこから出すか」だけでなく、「水がどこに落ちるか」も考える必要があります。ミスト自体は微細でも、風向きや設置位置によっては床や壁が濡れますので、ミストの噴霧範囲と建物との位置関係をしっかり確認しておきましょう。ミストがどの方向へ流れていくのかまで考えておくことが大切です。
まとめ
冷却効果が注目されがちなミストシャワーですが、他のメリットも活用すれば一年中使える設備です。新築で取り入れる場合は、外構計画の一部として水圧や配管、排水も併せて計画しましょう。
「庭やテラスをどのように使いたいか」を家づくりの早い段階で考え、ミストシャワーを含めた外構計画を立てておけば、見た目にも使い勝手にも配慮した、家族にとって快適な屋外空間をつくりやすいですよ。

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住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。
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