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【詳報図解】北九州市の市場で大規模火災

19日未明、北九州市の中心部にある「旦過市場」から出火し、店舗など40軒以上が燃えた。今のところけが人は確認されていないが、再整備でこれから生まれ変わろうとする矢先の火事に市場の関係者は肩を落とす。
火が出た北九州市小倉北区の「旦過市場」は、アーケードのある通りを中心に路地が入り組む構造。北側の大通りに面した入り口付近の一角が火元とみられている。

「北九州の台所」として親しまれた市場の火災に、未明にも関わらず多くの市民が消火活動を見守った。火は密集する店舗に次々に延焼しながら激しく燃え、勢いがおさまったのは一夜明けた午前8時前のことだった。焼失面積は約1600平方メートルにおよんだ。

この大規模火災によって食料品店や飲食店などの少なくとも42軒が焼けた。
当時、何が起きたのか――。午前2時半ごろ、市場の一角から大量の煙が吹き出した。近隣住民からの通報が相次ぎ、消防はすぐに消防車の台数を増やす“第2出動”に切り替えて消火活動に臨んだ。しかし、市場には老朽化した木造の建物が密集しており、食料品や飲食店が次々と炎に飲まれた。
火元や出火原因は現時点で判然としない。警察と消防は、漏電などのあらゆる可能性を視野に捜査している。
消火活動は難航し、一夜明けても火は燃え続けた。ようやく火の勢いがおさまったのは、午前8時ごろ。その後も火だねを探しながら、完全に消し止めるための放水が続いた。
専門家は老朽化に加えて、消火活動のスペースが十分に確保できなかったことが鎮火まで時間がかかった原因ではないかと推測する。

内部が迷路のように複雑な旦過市場。一度火が出てしまうとすぐに周囲に燃え広がってしまう。実際に大規模な火災が起きたのはこれが初めてではない。23年前にも店舗から出た火が次々と燃え移り計12店が全半焼する惨事となった。これ以降、老朽化のリスクが強く認識され、市場の再整備の議論につながっていった。
建物の老朽化を受けた再整備事業は去年から段階的に進められていた。今回の大火はその矢先のことだった。多くの市場関係者が肩を落とす一方で、営業の再開に向けた動きは早かった。市場関係者は、午前中に対策会議を開催。焼けた店舗の片付けのための立ち入り許可などについて話し合った。
北橋市長も1日でも早い市場の再開を後押しすることを表明した。被災した事業者の生活支援から始めるという。ただ、進行中の再整備事業への影響については「協議中」とだけ語った。

警察と消防は、火が完全に消えたのを確認した後、出火原因を捜査することにしている。

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火災市場