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「改修するお金がない」老朽化した商店街の厳しい現実-火災の危険

北九州市の旦過市場で40店以上が焼損した火災を受けて、ほかの商店街も改めて危機管理が問われている。火災をいち早く察知し、早い段階で初期消火を始めれば被害を抑えることができる。しかし、同じように老朽化した商店街にはそのための予算がない。取材すると厳しい実情が見えてきた。
「北九州市小倉北区にある黄金市場です。旦過市場と同じ木造で古くから営業する店が軒を連ねています」(RKB黒木秀弥)



大規模な火災があった旦過市場から約1キロ。同じ小倉北区にある「黄金市場(こがねいちば)」が見えてくる。木造で古くから営業する店が密集しているため、北九州市からは火災の危険性が高い「特定消防区域」に指定されている。
「煙感知器が見えますかね。あそこは熱感知器」(黄金地区商店連合会・中江克副会長)



商店街には火災感知器があちこちに見える。ただ、設置して少なくとも30年以上が経っているという。
「作動するとしたらほとんど誤作動」(黄金地区商店連合会・中江克副会長)
この日も実際には火は出ていないにも関わらず、警告の赤いランプが点滅していた。


「本当に起こった時は怖いと思う」(黄金地区商店連合会・中江克副会長)



北九州市内の市場や商店街では、この10年間で5件の火災が発生している。火災に備え、黄金市場も設備改修の見積もりをした。業者からは1000万円以上かかると言われた。
「本音としては改修するのが一番いいけど、お金。こればかりはね・・・」「もうそこまで手が回らない」(市場関係者)
「正直厳しい。全体で話し合っていくしかない」(黄金地区商店連合会・中江克副会長)



老朽化が進んでいる数多くの商店街。火災への対策が不十分と認識したまま営業しなければならない厳しい現実に直面している。

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