PageTopButton

健康アップには「噛む力」! 家族全員で夏休みにチャレンジ 1か月後の効果は?

食べ物を噛み、飲み込む「咀嚼」(そしゃく)する力を鍛えるチャレンジに、福岡市の家族が夏休みを利用して取り組みました。

◆「噛む力」アップめざすプロジェクトがスタート!

夏休みに入った7月下旬、福岡市内の小学生がいる家族、12組が集まりました。おにぎりやガムを口に入れてもぐもぐ。参加者が調べているのは、「噛む力」です。福岡市や、九州大学・新潟大学、シャープ・ロッテが産学官共同で実施する「咀嚼力アッププロジェクト」に挑戦します。

参加者「上の子がよく食べる、下の子がちょっと少なめというのが気になっていたので、噛む力で改善できる何かがあるのかなと思って応募しました」
「思っていたより噛む力がなかったので、噛む力をつけていきたいなと思いました」

◆全身の健康に重要な「そしゃく力」 簡単に計測

事前の測定会では、「そしゃく」の回数やあごの力をはじめ、唾液の分泌量や虫歯の有無、滑舌など、口腔機能に関わるあらゆる項目をチェックしました。そもそも、なぜ咀嚼力をアップさせることが重要なのでしょうか。

福岡市保健医療局 江頭英恵・口腔保健支援センター長「咀嚼は全身の健康にとって重要なことで、咀嚼機能が認知症や要介護のリスクとも関連があることが近年では示されています」

RKB堤千春「そしゃく回数を計測する機器『バイトスキャン』を使って、おにぎりを噛む回数をチェックします。では、いただきます」

耳にかけて計測するこの機器は、噛む回数やテンポ、食事時間などを数値化できます。

「おにぎりの回数150回でした、こちらのデータは350人くらいと比較しているんですけど、皆さんのデータは平均212回なので、あまり噛んでない、少し早食いかなというデータになります」
RKB堤千春「早食いの傾向があるみたいなので、こうやって数字化されると、ちょっと反省しなきゃなと思うところでした」

◆夏休みに一家全員でチャレンジ

◆噛むことを意識 思わぬ効果も

家族全員が噛むことを意識するようになり、変化を感じ始めているようです。

長男・隼くん「噛むよりも、先に食べて飲み込んじゃって、うーっておなかが痛くなって。そういう経験があったから。前よりは意識していると思います」
母・利佳さん「このトライアルが始まってから、食べ残しがないのが心からうれしいです」

家族で1つの事に挑戦することで、思わぬ喜びもありました。

父・晋さん「普段なかなか『どうしてた?』と聞いても教えてくれないんですよね、(食事を一緒にして)会話がはずむところがよかったなぁと思います」

◆データで現れる「噛む力」の向上

福岡市中央区に住む兼重さんファミリーは、両親と小学生の男の子2人の4人家族です。母親の利佳さんは、子供たちの偏食や夫の早食いが気になっていたといいます。

兼重利佳さん「自分自身も早食いになってしまい、早く食事を終わらせて、これしたい、あれしたいと」

 
計測開始から1週間、具材の切り方や調理法でそしゃく回数が違ってくることに気づいた利佳さんは、献立や調理を工夫することにしました。この日のメニューは肉じゃがと、ピーマンとツナのあえ物、春雨のサラダに、味噌汁とご飯。歯ごたえのある物を織り交ぜています。

「ただいまー」

父親の晋さんが帰宅し、家族揃っての夕食です。

「(バイトスキャンを)つけてください」「では、いただきまーす」「よく噛んでね、ほらカウントされてるでしょ」
長男の隼くん(小5)「よく噛んでねって言ってるけど、一番噛んでないのお父さんでしょ」

◆噛むことを意識 思わぬ効果も

家族全員が噛むことを意識するようになり、変化を感じ始めているようです。

長男・隼くん「噛むよりも、先に食べて飲み込んじゃって、うーっておなかが痛くなって。そういう経験があったから。前よりは意識していると思います」
母・利佳さん「このトライアルが始まってから、食べ残しがないのが心からうれしいです」

家族で1つの事に挑戦することで、思わぬ喜びもありました。

父・晋さん「普段なかなか『どうしてた?』と聞いても教えてくれないんですよね、(食事を一緒にして)会話がはずむところがよかったなぁと思います」

◆データで現れる「噛む力」の向上

1か月間の特訓の成果は現れるのか? 再び測定です。兼重さん一家で一番大きな変化が見られたのは、長男の隼くん。「噛み砕く力」が3倍以上に増えました。

長男・隼くん「早食いしてのどが詰まって『ウッ』ってならなくなった」
母親・利佳さん「お互い共働きなんで、時間に追われてる部分あるんですけど、ちゃんと食卓を囲むところから、お口の健康というのが始まるのかなと思う」
父親・晋さん「子供たちの時からしっかりと噛む習慣が備わっていれば、そのまま大人になったときにいろいろな効果が出てくるんだ、というのがわかりましたので、家族として取り組んでいくことが重要と感じました」

福岡市保健医療局・江頭英恵口腔保健支援センター長によると、「取り組む前と比較して、そしゃくチェックガムでは噛む力が向上した。奥歯で噛みしめる力、舌や唇の動きが向上する傾向が認められた。そしゃくの回数や時間の増加が認められ、ゆっくりとよく噛むようになったことがうかがえる」ということです。

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう