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お歳暮商戦にも異変? 物価高で生活に欠かせない調味料や油などに注目

今年も残すところ2か月あまりとなり、福岡県内の百貨店でも早いところではお歳暮の店頭受付が始まりました。百貨店にとってお歳暮商戦は、年末の売り上げを左右するだけに力も入りますが、今年は物価高などの影響で人気商品の傾向に変化が出ているようです。

物価高で“家計は厳しいが…”

福岡市天神の大丸福岡天神店は26日、県内の百貨店では最も早くお歳暮ギフトセンターを開設しました。
来店客「お正月だから、お酒とか干物とか」
定番のビールやハムのほか、九州の特産品を扱った商品など約1600点を並べています。毎年恒例の光景ですが、来場した人に話を聞いてみると、今年は身の回りのあらゆるものが値上がりする中で、家計が厳しいとぼやく声も聞かれました。
来店客「家計は厳しいです。お付き合いの分だけを絞りに絞ってやっている」付き合いもあるので、例年と同じ値段の範囲内で選んだ」
止まらない円安と物価高。9月の全国消費者物価指数は、去年より3.0%上昇していて、消費税増税の影響を除くと、3パーセント台になるのは約31年ぶりと歴史的な上昇幅を記録しています。

調味料や油などに注目

こうした中、今年のお歳暮商品は生活に欠かせない調味料や油、飲料など毎日使う日用品に注目が集まっています。
博多大丸営業2部 橋本修さん「モノの値段が日常使いの物まで上がってきている中で、生活に便利な物、手助けになる物を贈る傾向がある。今のギフトのセットの価格もなんとか維持はしているものの原材料高もあるので、今後価格がどのように動くかは注意して見る必要がある」
来店客「やっぱり食料品。日用品ですよね。あっても全然困らない」

百貨店の営業スタイルも変化

最近は、企業でもお歳暮などをやめるところが増えていますが、新型コロナの影響などで百貨店の営業スタイルも時代とともに大きく変わっています。

今から約30年前、百貨店は「ローラー作戦」と題し、社員が自転車に乗って家庭や企業を回り、お歳暮の注文を取っていたところもありました。
「がんばるぞ!おー!」「がんばるぞ!おー!」
これは1995年のニュース映像です。北九州市の百貨店「井筒屋」は、お歳暮など歳末商戦が始まる前に、従業員とその家族を集めレクリエーションを兼ねた決起大会を開いていました。百貨店にとって年末の売り上げを大きく左右するお歳暮商戦、井筒屋は出発式を開き従業員を激励するなど、社を挙げた一大イベントとなっていました。

お歳暮を贈らない人も増える

その後、インターネットを使ったオンラインショッピングが普及し、自宅でも簡単に注文できるようになりました。新型コロナの感染拡大によりネット注文はさらに増え、「巣ごもり需要」を意識した商品も売り上げを伸ばしました。その一方で、企業の経費削減や家計の見直し、時代の変化などによって、お歳暮を贈らないという人も増えています。

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