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時給340円がさらに下がる?お菓子の“原価上昇”で就業支援施設に危機

知的障害や精神障害がある人たちの自立を支える施設は、お菓子を作って販売しながら利用者に給与を支払っています。もともと時給250円~340円と低い給与が物価高の影響で維持できなくなるおそれが出ています。

お菓子の原価が上昇、利益を圧迫

施設で働く人「やりがいはありますよ、楽しいし」「きちんとケーキがふくらんでできたー!というときはいいですよね」
福岡市城南区にあるさざなみ福祉会、精神障害や知的障害がある人たちが働く施設です。手がけているのは、焼き菓子の製造・販売で無添加のプリンやチーズケーキ、シフォンケーキが人気です。笑顔が絶えない職場はいま、ある悩みを抱えています。
さざなみ福祉会・岡本朗理事長「原価が上がると厳しいですね」
焼き菓子やケーキの材料が軒並み値上がりしているのです。シフォンケーキの材料となる砂糖は、8月から約9%、10月からはメープルシロップが、35%、ドライフルーツが、約18%も高くなりました。また5月1日からぷりんのふたの価格も20%上がっています。

砂糖(30kg単価6900円→7500円
メープルシロップ(1.25kg単価)1625円→2200円
いちごのドライフルーツ(500g単価)12500円→14700円

時給250~340円がさらに下がる?死活問題に

原材料費は上がっていますが、販売価格はいまのところ据え置きです。
岡本理事長「来てる人の給料は原価を引いた分の利益だったり下請け作業の収入で賄われているので、材料費が上がれば利益は低くなります。今後、給料にも影響してくるとは思いますけど、そう簡単に下げられないので・・・」
就業継続支援B型のこの施設では利用者は時給250円から340円で働いています。これを下げるとなると死活問題です。簡単に下げることはできません。

1食250円の給食も維持できない可能性

1食250円で提供する給食の材料費も上がっています。
施設で働く人「(ごはんは?)楽しみですねごはん毎日楽しみです」 岡本理事長「食材が上がり一品減るといやよね?きゅうりなしとか。ごはんが楽しくて毎日来てる」 職員・小山千恵美さん「肉や魚も上がっています。店を見ているんですけど、高いですね」
いまは少しでも安い店を探して給食費を据え置いています。しかし、物価が上がり続けると給食費も上げなくてはなりません。終わりが見えない物価高、なんとか自立して生きていこうとしている人たちの生活に暗い影を落としています。

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