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国内初!プロ野球「ウィンターリーグ」の仕掛け人~ホークス斉藤コーチがアンバサダー

スポーツ野球
プロ野球のオフシーズンに行われる「ウィンターリーグ」が、新たな才能の発掘などを目的に、国内では初めて沖縄県で開催されています。日本野球界にとって大きな一歩となりそうな取り組みの仕掛け人は、福岡県出身の男性です。大手企業を退社してリーグを立ち上げた男性の熱意に、ホークスの斉藤コーチも動かされました。

「仕掛け人」は福岡県出身の男性


沖縄県・宜野湾市で、今月24日に開幕した国内初の「ウィンターリーグ」。ウィンターリーグとは、新たな才能の発掘や経験の浅い選手に実戦の場を提供することなどを目的に、プロ野球やメジャーリーグのオフシーズンに行われるリーグ戦で、中南米やオーストラリアといった温暖な地域で開催されています。新たに「ジャパンウィンターリーグ」を立ち上げたのは福岡県筑紫野市出身の鷲崎一誠さんです。

大学を回り「リーグ参加」募る

1か月前、鷲崎さんが足を運んだのは、北九州市にある九州共立大学です。
鷲崎一誠さん「今回ジャパンウィンターリーグが開催するにあたって、選手の募集と福岡では強豪大学なので、あいさつという形でいきます」
国内初の試み、代表自ら参加者を募ります。
九州共立大学 上原忠監督「学生もまだまだ野球をしたい、トップを目指したいという話は常々聞いていましたので、学生が最後の最後に自分のパフォーマンスを発揮できる場所があるというのは、非常に僕ら指導者としてもありがたいと感じます」

大手企業を退社して「リーグ」立ち上げ

鷲崎さんは、慶應大学野球部出身。しかし、4年間でリーグ戦出場の夢は叶いませんでした。大学卒業後も野球への思いを捨てきれず、アメリカで開催されたウィンターリーグに参加しました。
鷲崎一誠さん「カリフォルニアのウィンターリーグに挑戦して、結果が出たんですね。このウィンターリーグのモデルは素晴らしいと思った。日本に現状ないので、そこを僕みたいに悔しい思いをしている選手が数多くいると思うので、選手に機会の場所を作ってあげたいというところから、この企画をしています」
その後、大手企業に就職しましたが去年2月に退社。自分と同じように夢を追い続ける選手達を応援しようと、会社を立ち上げました。

ホークス斉藤コーチが“アンバサダー”

開幕前日に70人集まる

鷲崎さんの熱意に、この秋からホークスの投手コーチを務める斉藤和巳さんも動かされました。野球界の発展のため、アンバサダーに就任しました。
“アンバサダー”のホークス斉藤投手コーチ「これまでは、プロ野球NPBの選手は、海外ウィンターリーグに参加していることが普通だったので、日本にウィンターリーグがないということをハッとさせられたというか、沖縄の暖かい地がありながら、世界的にもチャンスが広がると思うので、すごく良い企画、リーグだとは思いますね」

開幕前日に70人集まる


開幕前日の練習。初めての開催にもかかわらず、国の内外から合わせて70人が集まりました。
埼玉県からの参加者「いろんな選手とプレーできるので、いろんな人の考えた方やプレーを見てしっかり学んでチームに持ち帰って、自分の経験につなげたいと思う」
大阪府からの参加者「暑がりなので、ちょうどこの時期の沖縄の気温が今よい感じで、一番体が動けるかなと思っています」

福岡からの参加も


福岡から参加した吾郷寛太選手。普段は嘉麻市のクラブチームでプレーしています。
吾郷寛太さん「ワクワクよりも不安が大きい。試合も始まってないので、不安が大きいです」
現在24歳、身長は164センチと小柄ながらも堅実な守備と勝負強いバッティングが持ち味の内野手です。今回、参加した理由を話してくれました。
吾郷寛太さん「自分は上のレベルで野球をやりたいというのが強くて、NPBやMLBなどたくさんの所からスカウトが来るというのが、すごく魅力的だなと思って応募しようと思いました。自分の年齢的にも、野球を来年どうするかって考えないといけなかったので、ラストチャンスかなって思ってやってきています」

開幕に「メジャーリーグ」スカウトも

迎えた開幕当日。
鷲崎一誠さんの“開幕宣言”「このリーグは日本の野球界を変えるリーグです。いろいろな思いや背景を持った選手が1か月間、熱い戦いを繰り広げます。リーグの卒業生たちが日本野球の変革者となることを期待しています」

球場には、国内の独立リーグ、メジャーリーグのスカウトも駆けつけました。
鷲崎一誠さん「ここから選手が飛び立っていって、日本の野球界を変えてくれると考えると、ワクワクしますね」

福岡の吾郷選手も試合出場

この日は、4チームに分かれて2試合が行われました。吾郷選手は9番サードで出場。自慢の守備では、強烈な当たりを華麗にさばいてアウトにします。一方のバッティングは・・・ヒットこそ出なかったものの、貴重な経験となったようです。
吾郷寛太さん「出場機会をたくさん与えてもらって、いろんな投手と対戦して貴重な実戦経験を積めるので、しっかり自分で振り返って、また明日につなげていけるように頑張っていきたい」

「世界への登竜門」を目指す


今年はアマチュア選手のみとなりましたが、今後はホークスなどプロ野球からの参加も募集し、「世界への登竜門」となるリーグを目指します。
鷲崎一誠さん「まだまだ課題が見つかった一日でもあるので、これからだなと感じていますが、本当にこのウィンターリーグを大きくして、世界中の選手が集まって、ここ沖縄を拠点にして、世界中に羽ばたいていくようなウィンターリーグにしたいと思っています」

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