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太刀の先に見えるもの~父と息子の示現流修行

「カーン、カーン。キェー!」。田畑に囲まれた小さなお寺から、木と木のぶつかり合う音や気迫のこもった掛け声が聞こえてくる。声の主は、お寺の住職を務める下津浩一さん(51)と、2人の息子たち。3人が行うのは、鹿児島に400年以上前から伝わる「示現流」の稽古。幕末期には新撰組局長・近藤勇をして「薩摩者と勝負をする時には初太刀を外せ」と言わせるほど、先手必勝の鋭い斬撃が特長の古流剣術だ。僧侶という立場から「生死」と毎日のように向き合う下津さん。かつてサムライたちが「命のやり取り」をしてきた示現流を学ぶことで、「命の重み」という感覚を麻痺させないようにと習い始めた。その思いは子供たちにも向けられているが、反復練習ばかりの示現流よりもゲーム性の高いテニスの方がお気に入りのよう。毎週土曜の夜、鹿児島市の「示現流兵法所」に通い、門下生一同と共に稽古を行う下津さん親子。悪ふざけばかりしている息子たちだったが、父親の真剣な思いに徐々に顔つきに変化が…。示現流を通して、真剣に生きることと命の大切さを子供たちに伝えようとする父の姿を追う。
(制作:MBC南日本放送 / ディレクター:吉村 博徳 )

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