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ピリリの刺激で町おこし

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熊本市中心部から車で45分ほどの場所にある上益城郡甲佐町・宮内地区。山と清流に囲まれたのどかな集落を豪雨が襲ったのは2016年、熊本地震直後のことだった。
幸い死者は出なかったものの、観測史上4位の大雨により家や道路、多くの田畑が流されてしまう。加えての高齢化。被害をきっかけに耕作を断念する農家も多数出た。

そんな中、立ち上がったのが10年前に移住してきた佐藤直樹さん(41)。町を元気にするツールとして「山椒」を思いつく。
理由は「鳥獣被害が少なく、国産品は希少」ということ。住民に協力を呼びかけ生産者を募り、3年前から栽培に取り組んだ。そのほとんどが60、70代。「栽培のノウハウがほぼなく手探り。だからこそ、みなが自主的に栽培方法を研究して楽しんでいる」という。生産者、栽培本数共に少しずつ増えてきている。

また山椒の栽培だけでなく、加工品への取り組みにも挑戦中だ。地元の女性たちでつくるグループと手を組み、山椒を使った調味料を開発。地元の物産館での販売を始めた。
また、地元のレストランやカフェもこの取り組みに賛同し、山椒を使ったランチメニューや弁当販売などを始めた。

3年目の今年、やっと本格的な収穫が始まった。「まだまだスタートラインに立ったばかり」と笑う佐藤さん。地元住民と取り組む「町おこし」の挑戦を追った。

(製作:RKK熊本放送 / 久保田 泰代)

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