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シメは女将の手打ちそば!22時から朝まで営業の路地裏酒場

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清川の路地裏にひっそりと佇み、ポツリと灯る温かな光。掲げられた看板には「お酒とお蕎麦とお料理と」の一言が……。何ともそそられるこちらのお店の正体は「オサケとキュウソク 咲のおいとま」。夜がふける22時ごろに開店し、夜が明ける6時まで営業する魅惑の深夜酒場です。

咲のおいとま 外観

店内へ足を踏み入れると、店を切り盛りする女将の藤田咲さんが迎えてくれました。料理が大好きで10代の頃から自分の店を持つのが夢だったという咲さん。調理師専門学校を卒業後、最初の修業先として飛び込んだのは冷泉町の名店「信州そば むらた」でした。

咲のおいとま 内観

「信州そば むらた」で5年半の間、料理や日本酒、蕎麦の基礎を学んだ後は「常連さんを大事にする下町の接客を学びたい」と美野島の焼鳥店へ。さらにその後は独立を視野に入れ「繁盛店で自分をもっと鍛えたい」と、警固の「炉端 百式」へ入店。「百式」でも5年間に渡り経験を積み、退職して何と1ヶ月後に「咲のおいとま」を開店したそうです。

「私の誕生日、7月7日にどうしても開業したかったんです。お店と一緒に年をとっていきたくて」。そう言って嬉しそうに微笑む姿に一瞬でファンになった私ですが、メニューを見てさらにハートを撃ち抜かれました。

咲のおいとま メニュー 咲のおいとま メニュー

「出汁きいてる気まぐれ湯豆腐」に「みんな大好きベーコン玉子」、イカの塩辛は“柚子系とワタ系”の2種盛りという気の利きよう。日によって変わる別メニューには「やさしい玉子焼(甘いのか出汁っぽいのか)」、「喫茶店のハヤシライス」なんてものまで並んでいてグッときます。お酒メニューも気になるものばかり!

咲のおいとま 料理 咲のおいとま 料理

迷いに迷った挙げ句、この日はオススメの逸品を出してもらいました。
最初にいただいたのは、写真左の「たこの山椒和え」(500円)。肉厚な生ダコの食感と旨味に、ピリッと爽快な粉山椒の辛味、セリのほのかな苦味が合わさり、のっけからお酒が止まりません!
定番の「鴨わさび」(850円)も、蕎麦のつけ出汁でサッと火を入れた鴨肉の柔らかさと甘辛い味付けがクセに。おろしたての本生山葵に野沢菜を絡めている辺りが何ともニクイです。

咲のおいとま 料理

裏メニューから名物料理に昇格したという「そば湯豚汁」(500円)も染み入る美味しさ。蕎麦湯で作られているので舌触りはとろっと優しく、豚肉や大根、キノコなどの具材もたっぷりと入っています。蕎麦湯にはルチンをはじめとした二日酔い予防に効果的な栄養素が溶け出しているので、飲んだ後にもぴったりなのだとか。

咲のおいとま

さらには「大人のたこさんウィンナー」(600円)も登場。1匹だけカニさんが入っていて、もうニヤニヤが止まりません。 “タコさんウィンナーってなんでこんなに美味しんだろう……”。私がそう呟くと「愛情が詰まっているからかなぁ」と咲さん。

「たこさんウィンナーはお弁当の定番おかずですが、一つ一つ切れ目を入れて足を作るって意外に手間のかかる作業ですよね。でもお母さんやお父さんは、忙しくても子供に喜んでもらいたい一心でそのひと手間をかける。私もお客さんに喜んでもらいたくて、8本と言わず、多めに切り込みを入れています(笑)。足が多い方がサクッとして美味しいですよね。ピリ辛ウインナーを使っているので、ケチャップでなくマヨネーズを添えるのもポイントです」

咲のおいとま 料理

そして実は『信州そば むらた』に飛び込んだのも、“愛情”がキーワードだったと話します。

「専門学校時代、様々なシェフに『料理人にとって一番大切なものは何ですか?』と伺う機会があったのですが、大将はいの一番に『料理人は人相手の仕事。美味しくなぁれと愛情を込めて作ることが何より大切だ』と答えてくださいました。それを聞いて、この人の元で学びたい!と思ったんです。蕎麦職人を目指したわけではないので、私の蕎麦は兄さん達とは比べ物になりませんが、蕎麦屋ではないからこそ、型にハマらずにできることを楽しんでいきたいです。蕎麦というより、麺料理として作る『平打ち蕎麦』もその一つです」

そう言って、締めには小鍋で煮込んだ「肉そば」(850円)を出してくれました。

咲のおいとま

新潟県産玄蕎麦の蕎麦粉など蕎麦粉屋さんのオススメを仕入れ、毎日手打ちする十割平打ち蕎麦はむっちり食感! 蕎麦出汁は「ほっと落ち着く味わいにしたい」との思いで、味付けはあえて甘めに。咲さんのお母さんの出身地である鹿児島の醤油を使っているそう。麺に馴染んだコクのある出汁の旨味と、蕎麦の香りが噛むほどに広がります。ちなみに、残った出汁に麦飯を加えて「おじや」(+300円)を作ってもらうこともできますよ。
蕎麦は通常の盛り蕎麦(細切り)もあるのでお好みをどうぞ。

咲のおいとま

最後に「営業時間を22時から朝方までにしたのはなぜ?」と尋ねたところ、咲さんは「それも、愛情です」とにっこり答えてくれた咲さん。
「飲食業や夜遅い仕事をしていると仕事終わりに立ち寄れるお店は限られます。だから、疲れた後にゆったりと晩酌できる、“おいとま=お休み”できる……そんな場所を作りたいと思ったんです。“咲ちゃんが作っているから美味しい”そう言ってもらえる愛情酒場を目指しています!」

オープンしてまだ3ヵ月とは思えないほど安定感があり、すでに深夜帯はあっという間に席が埋まってしまう人気ぶり。私もすっかり虜になってしまいました。「人には教えたくないのに~!」という常連さんの声が聞こえてくる気がしますが、どうぞお許しください……。

《オサケとキュウソク 咲のおいとま》
福岡市中央区清川3-15-1
電話番号:非公開
22:00~翌8:00 (最終入店翌6:00)

店舗名:オサケとキュウソク 咲のおいとま
ジャンル:居酒屋、蕎麦
住所:福岡市中央区清川3-15-1
電話番号:非公開
営業時間:22:00~翌8:00 (最終入店翌6:00)
定休日:木曜、他月2回ほど不定
席数:カウンター6席、テーブル8席
メニュー:この山椒和え500円、大人のたこさんウィンナー600円、やさしい玉子焼650円、そば湯豚汁500円、女将の手打ち蕎麦(盛り蕎麦)800円~
URL:https://www.instagram.com/sakinooitoma.kiyokawastairu7.7

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この記事を書いたひと

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