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ビル最上階のテラスでマジックアワーを眺めながらカクテルを

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元九大キャンパス再開発以降、急激に変貌を遂げた六本松。その跡地に建てられた「六本松421」を中心に新しいビルや飲食店が続々と誕生し、近年福岡でもっとも注目されるエリアとなっています。かくいう筆者も5年程前に六本松に居を移し、日々街の動向をチェックしながら新しい店の情報に精通している・・・・・・はずでした。ところが、不覚にもこのバーは、編集長から「もう行った?」と聞かれて、初めてその存在を知りました。それほどジモティにも気づかれず、9月にひっそりとオープンしていたのが「Re:Smokin'」です。

ReSmokin_out

場所は「六本松421」真正面のオフィスビル。壁面には大手不動産会社の看板が大きく掲げられていて、まさか最上階にバーがあるなんて誰も思いませんよね。まだ明るい開店時刻の午後4時半ぴったりにエレベーターを7階まで昇ると、確かにそのバーは存在しました。しかもその造りは、普通のバーとかなり違っています。
カウンター6席の店内とガラスのドアを隔ててウッドデッキ張りのテラスがあり、そこにテーブル席が12席。来店の挨拶をしてテラスからひとしきり周囲を景色を眺めた後、カウンターでオーナーバーテンダーの力竹裕太さんが迎えてくれました。

ReSmokinマスター

まずは挨拶代わりの「ジンフィズ」を注文をすると、「お好みのジンはありますか?」と尋ねられます。おまかせでお願いすると、取り出したのはロンドンジンの定番「GORDON'S」。素早くシェイクしてソーダで満たした1杯はキリッとドライな口あたりで、早い時間からカクテルを楽しむためのスタートに申し分ありません。他に客はおらず、じっくり力竹さんと話をすることができました。

ReSmokinマスター2

スマートな身のこなしとシェイカーを振る所作から窺い知れるように、力竹さんは「帝国ホテル東京」の「オールドインペリアルバー」の出身。言わずと知れた日本を代表するバーで、バー通いをする酒好きの聖地として筆者も訪れたことがあります。「以前から福岡の街が好きで、いつか店を持ちたいと思っていました」と、15年勤めた帝国ホテルを退職して福岡に移住。縁あって現在の場所を借り、目標だったという40歳を前に独立開業を果たしました。「Smokin'」には英語のスラングで「輝く、素敵な」などの意味があり、「この場所で輝いてほしい」という思いからのネーミングだそうです。

ReSmokinカクテル

バーテンダーとしての腕前も折り紙付きで、オリジナルカクテル「和TSUMUGI(ワツムギ)」が帝国ホテル130周年のアニバーサリーカクテルに選ばれたほどの実力者。2杯目はおまかせでカクテルをお願いすると、作ってくれたのは完熟柿を使った「柿のウォッカマティーニ」。鮮やかなオレンジの液体はねっとりとした口あたりで、米を原料にした国産ウォッカの香りと珍しい味醂リキュールのコクがあり、柿の甘味が広がります。季節のフルーツを使ったカクテルは月替わりで、やさしい飲み口はカクテル初心者や女性にもオススメです。

ReSmokinテラス

力竹さんと話し込んでいると、次第に陽が西に傾いてきました。「テラスから眺める夕焼けも綺麗ですよ」という声に促されてテラス席に移動すると、周囲は黄昏に包まれていました。右手に沈んでいく太陽の残光が空を黄金色に染めるマジックアワーの始まりです。3杯目は好みのウイスキーを舐めながら、極上の一刻を過ごすことができました。

先日約400年ぶりとして話題になった月食も間近に見えたそうで、都心のビル街でこれほどのロケーションはちょっと他にありません。冬場はテラスを囲むビニールシートも設置されるとのことなので、少しだけ厚着して風流な一杯を楽しめそうです。

店舗名:Re:Smokin’(リ・スモーキン)
ジャンル:バー
住所:福岡市中央区六本松2-15-6ミッドスクエア六本松7F
電話番号:090-8747-5656
営業時間:16:30~24:00
定休日:不定
席数:カウンター6席、テラス12席
個室:なし
メニュー:チャージ500円(カウンターのみ)、ビール・ハイボール各700円~、ウイスキー1,000円~、カクテル900円~、ポテトサラダ700円、燻製3種1,080円~
URL:https://www.instagram.com/re_smokin_ropponmatsu/

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この記事を書いたひと

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