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もうひとつの八幡製鉄所・君津 ~「民族大移動」から50年~

2020年第11回
制作:RKB毎日放送
ディレクター:寺井 到

昨年11月、日本製鉄の組織再編で八幡製鉄所が九州製鉄所・八幡地区となることが発表された。官営製鉄所として生まれ戦前戦後の日本を支えてきたこの製鉄所にも時代の波が襲う。その八幡から枝分かれした製鉄所があるのをご存じだろうか。1100キロ離れた千葉県の君津製鉄所だ。
およそ50年前の高度成長期、発展著しい関東の需要を見込んで八幡から社員と家族など数万人が移住して立ち上げられた。その様子は「民族大移動」と呼ばれた大掛かりなものだったという。今回、当事者たちに君津での生活の聞き取りを実施。祖父から三大製鉄所勤めだという人は地元を離れる決意をした意外な理由を語った。また君津で海苔養殖を家業にしていたが転業した人は犠牲のもとに今の繁栄があるという。製鉄所勤務の夫の転勤で木更津に暮らした女性は知り合いのいない寂しさが句会参加で癒されたといい、当時の俳句を40年ぶりに振り返る。さらに行政OBに話を聞いたところ、君津市合併の理由と関連する諸問題を指摘。それは多くの自治体が共通して抱える問題でもあった。かつて自治体が見た「大企業の誘致で地域が発展する」という夢の現在とは。

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