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毒の油を口にして ~カネミ油症事件50年~

暮らし
2018年第9回
制作:RKB毎日放送
ディレクター:里山千恵美

「カネミ油症事件」は1968年に発生した、国内最大の食品公害事件だ。
北九州市のカネミ倉庫が製造した米ぬか油に混入していた猛毒ダイオキシンが、福岡、長崎を中心とした西日本一帯で多大な健康被害をもたらした。被害を訴えた人は当時およそ1万4000人にものぼった。
 カネミ油症はダイオキシンを口から摂取するという、前例のない極めて特異な事案で、その症状は多岐にわたる。また体内から排出されにくく、被害者の健康被害は今なお続く。
被害の拡大を防ぐべきだった国は、初期の対応を失敗して被害を深刻化させたが、裁判で結局その責任が認められなかったために、今、この問題への対応は消極的だ。さらには、認定制度によって多くの被害者が未認定として救済から切り捨てられている。加害企業カネミ倉庫による補償は極めて限定的なものであり、被害者を救うには全く不十分だ。
油症の母親から生まれた次世代の子ども達にも様々な健康被害は迫り、今その救済が最大の課題となっている。
油症事件発生から今年で50年。被害者たちを訪ね、現在の問題を探る。

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