本格的な夏はもう目の前。暑い夏になんだか台湾料理が食べたくなるのは私だけではないのではないでしょうか?南国らしい湿気を帯びた風、夜市などで感じる街の活気。そんな旅先の風景が思い起こされる料理を味わえるのが、2026年3月にオープンした「3號(サンハオ)」です。お店は六本松駅からほど近い、木造2階建ての小さな商業施設「裏.六本松プロジェクト」の2階にあります。こちらは、土・日・月曜の週3日のみの営業です。
「3號(サンハオ)」を手がけるのは、フードトラックで台湾料理を提供する食のエンタメ集団「食農雑技集団」。2021年に、「3號(サンハオ)」のオーナーである田代裕和さんが「食農雑技集団」を立ち上げました。現在も火曜から金曜まで福岡市各地に出店し、台湾で愛されるストリートグルメを提供。そのおいしさが評判を呼び、人気フードトラックへと成長しました。
オーナー・田代裕和さん(左)と、ともに店に立つパートナーの佐々木薫さん(右)
田代さんが「食農雑技集団」を立ち上げるきっかけとなったのが、熊本県菊池市でご両親がつくるお米。菊池市は、阿蘇伏流水の豊かな湧き水、さらには稲作に適した土壌に恵まれ、そこで育った七城米は、江戸時代からおいしいお米の代名詞といわれていたそうです。「うちのおいしい七城米を使って、いつか飲食業に挑戦したいとずっと思っていたんです。台湾で暮らしていた祖父の存在から台湾に興味を持っていたことも、事業の軸となりました」と田代さんは振り返ります。
そんな「食農雑技集団」による初の実店舗が「3號(サンハオ)」です。店名は、「人が好き」「食が好き」「台湾が好き」という3つの「好(ハオ)」に由来。さらに、「食農雑技集団」を小さな軽トラで始め、次に大きなトラックへとステップアップし、その次に実店舗を構えるという、3つ目の挑戦という意味も込められているそうです。また、出店した場所が「裏.六本松プロジェクト」の3号室だったという偶然も重なりました。ちなみに、「號」は「号」の旧字体です。
ここで楽しめるのは、台湾で朝食に親しまれている滋味あふれるメニュー。台湾式おにぎりの「飯糰(ファントン)」や豆乳スープの「鹹豆漿(シェントウジャン)」、台湾式のお食事系クレープ「蛋餅(ダンピン)」など、台湾旅行の経験がある方なら一度は味わったことがあるであろう、台湾朝食の定番が並びます。
今回いただいたのは、台湾らしさを存分に楽しめる「特選ランチコース(特別午餐套餐)」(3,080円)です。魯肉飯(ルーローファン)のほか、台湾式スープ、豆花(トウファ)、焼き菓子、フルーツ、台湾茶が味わえます。
魯肉飯の主役の豚肉は、本場同様皮付きの豚肉を使用。スパイスの五香粉や八角などとじっくりと煮込まれ、豚肉の皮の部分のとろりとした旨みが食欲をかき立てます。高菜や、甘辛く味付けした豚肉を乾燥させた肉のでんぶ「肉鬆(ロゥソン)」、パクチーと混ぜて味わえば、さらに格別。モチモチとした食感と自然な甘みのある七城米のご飯が、それぞれ主役級の具材の味をしっかりと受け止めてくれています。
台湾式スープは、歯切れの良いビーフンを使った一品。生姜を効かせたすっきりとした味わいのスープに、具材はキクラゲとビーフンだけというシンプルなおいしさです。しっかり濃厚な味わいの魯肉飯に、さっぱりとしたスープが好相性。最高の組み合わせではないでしょうか!
そして、台湾のスイーツといえば、豆花(トウファ)も外せません。豆花とは、豆乳を使った台湾の伝統的なスイーツ。こちらでは、台湾南西部にある台南伝統の製法により、大豆の濃厚な風味を生かした、舌触りなめらかな豆花が味わえます。豆花に合わせて、タロ芋団子やアズキ、白キクラゲのジュレ、生のピーナッツをトッピング。トッピング一つとっても、手づくりにこだわっています。
どの料理からも、手間暇を惜しまず、丁寧につくられていることが伝わってくる「3號(サンハオ)」。「ゆくゆくは鹹豆漿などに使う原料の大豆も育てていきたいですね。うちを選んで来てくれた人に喜んで欲しいから」とは田代さん。それに呼応して、「オーナーはこだわり出したら止まらないんですよ(笑)」と、佐々木さんも笑顔で話します。次はどんな“こだわり”が新たに加わるのか。これからもおいしさを追求し続けていく「3號(サンハオ)」から目が離せません!
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