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産声を守るために ~離島のお産の現場から~

2017年第27回
制作:MBC南日本放送
ディレクター:北原由美

医師の不足に伴い病院の集約化が進む中、お産の場が地域から消えようとしている。人口3万人の種子島でも20年前は5軒あった産院が今は1軒だけ。その唯一の産院さえなくなる危機に陥ったことがある。 2007年、島で唯一の産婦人科医院・池田医院が休診を決めた。院長の池田速水さん(当時39)は、島の産科医療を一人で担ってきた。365日24時間、妊婦や胎児の異常に備える日々。緊急の場合は島外搬送になるが、その手続きは煩雑だ。民間病院では対応できない症例も年々増える。池田医師は離島の周産期医療の限界を痛感し、休診を決断したのだ。その決断は大きな波紋を呼び、同時に行政や住民たちも動き出し、池田医院は公立の病院「種子島産婦人科医院」として生まれ変わることになった。その後、鹿児島本土からベテランの住吉稔医師(当時59)が赴任。手術時は応援の医師が派遣されるなどの新しいシステムが確立されたが、常勤の産科医一人体勢は変わらない。年間280件以上もの出産に一人で対応してきた。 新しい命を守る・・・それやもはや医療関係者だけで解決できる問題ではなくなっている。番組では、この10年の種子島の取り組みと産声を守るために奔走する人たちの姿から、離島でのお産のあり方を考える。

各局の放送予定

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