福岡県大牟田市で76年愛され続ける老舗の居酒屋「やきとり 元禄」。その暖簾を守るのは、3代目店主の吉岡凌さん(30)。
お店の看板メニューは「1本10円」という格安の値段で提供される焼き鳥。
かつて炭鉱の町として栄えた大牟田で、「労働者に安く呑み食いしてほしい」という初代の思いから始まったこの「格安焼き鳥」。先代の志を受け継ぎ、凌さんは日々焼き台の前に立ちます。
彼が頑なに10円という値段を守り続ける裏には、若くして病に倒れた2代目の父・正二さんとの忘れられない約束がありました。深い葛藤の中、19歳で店を継ぐと言った息子、息子の将来を思い歴史ある店を閉めようとした父。
幾度もぶつかり合いながらも、父は初代から受け継がれる"秘伝のタレ"の作り方を教え、亡くなる1日前に病床でこう言い残します。
「10円焼き鳥だけは値上げするな」。
父との約束から11年、家族や常連客に支えられながら、凌さんは父の背中を追いかけ「100年続く店」を目指します。
物価高の時代に利益よりも大切なものを守り抜く店主と、彼を温かく見守る常連客たち。
父と交わした約束を胸に、3代目は今日も「10円焼き鳥」を焼きます。
(RKB毎日放送/篠原圭)
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