熊本県・多良木町に、世界のアパレルメーカーを支える印刷工場がある。洋服の襟についているブランドタグや洗濯表示タグなど、普段はあまり意識されることのない小さなパーツ。しかしそこには、ブランドの価値や品質を正確に伝えるための高度な印刷技術が求められている。
ナビックでは、防水や軟らかい生地など様々な素材に対応しながら、精密で繊細な印刷を行っている。特に特徴的なのが、デジタルでは再現が難しい色を表現する「特色印刷」。それはまさにアナログな世界。
職人がその日の気候や生地の素材に合わせて、ベストなインクを調合。乾燥した後のインクの色の変化も見極めて色を作り上げる。また、印刷位置も機械の癖に合わせて微調整。0.1mmのズレも許さない。
アパレルのタグという特殊な印刷を行なってきた長年の経験と感覚があってできる技だ。こうした技術はJリーグや世界のスポーツブランドのユニフォームにも活かされている。
現在は、多良木町で培われた技術が、海外の工場にも継承されてきている。町工場で生まれた職人の印刷技術が、小さなタグを通して世界のものづくりを支えている。
<取材先データ>
株式会社 ナビック
代表:那須 直人さん
住所:熊本県球磨郡多良木町黒肥地6525-38
HP: https://navic-print.com/
電話:0966-42-6470
取材後記
取材前まで、洋服のタグや下げ札を意識して見ることはほとんどありませんでした。下げ札にいたっては、購入後すぐに捨ててしまう存在でした。
しかし取材を通して、その小さなタグの一枚一枚に、想像以上の手間と技術が込められていることに驚かされました。色を一から作り上げ、何度も修正と確認を繰り返しながら理想の仕上がりへ近づけていく。
そこには、デジタルだけでは完結しない、職人の経験と感覚が生きる世界がありました。さらに現在では、その印刷技術を応用し、Tシャツへの熱転写などにも独自の技術を展開しています。
ブランドが届けたい想いや世界観を、“手紙”のように正確に伝える。その品質へのこだわりがあるからこそ、世界のアパレルブランドから信頼され続けているのだと感じました。
(RKK熊本放送 / 山本 修平)
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