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十字架とショパン

2017年第3回
制作:RKB毎日放送
ディレクター:西嶋 真司

ピアニストの崔善愛さん(57)は、かつて指紋押捺を拒否したことから再入国許可を受けられず、特別永住者の資格を奪われた。 留学先のアメリカから帰国できない不安の中で、善愛さんはショパンの音楽に心を揺さぶられた。 帝政ロシアの弾圧から逃れるために祖国を離れたショパンの悲しみが、朝鮮戦争の混乱を逃れて来日した父親の思いに重なった。 善愛さんの父親は在日韓国人・朝鮮人の人権運動に半生を捧げた故・崔昌華牧師。一人一人に付けられた名前は人間の尊厳の基礎であり、 在日の人々の名前の読みを当時慣例だった日本語読みから韓国・朝鮮語読みに変えるように訴えた。 今もヘイトスピーチがやまない日本社会の中で、在日であることを隠し続ける人も少なくない。善愛さんは在日として生きることに苦悩しながらも日本人の良心を信じる。 「日本が私を育ててくれて、信じられる人に出会えた。厳しい歴史や現実があってもなお、生きて行きたい国だとわかりました。」穏やかな語り口の中に、日本人に対する厳しい問いかけが込められている。

各局の放送予定

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