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棄民哀史

2016年第15回
制作:SBC信越放送
ディレクター: 手塚孝典

福島第一原発の事故から4年を迎えた去年3月、郡山市に近い三春町の仮設住宅に、ひとりの男性を訪ねた。
岩間政金さん、89歳。故郷を離れ避難生活を余儀なくされていた。
その人生は、国策に翻弄された苦難に満ちたものだった。

長野県飯田市に生まれ育った岩間さんは、戦争中、国策だった満蒙開拓団の一員として満州へ渡った。
中国の植民地支配と関東軍の兵站としての役割を担っての入植だった。
その後、関東軍に召集されソ連軍と戦闘、19歳のとき敗戦を迎えた。
戦場を生き延びて引き揚げたものの、故郷に居場所はなかった。
開拓団の多くは、家や土地を処分して満州へ渡っていたからだ。
追われるようにして、福島県の葛尾村へ入植。山を切り開き畜産で生計を立てた。
しかし、東日本大震災・福島第一原発の事故で、村は全村避難、岩間さんは、再び 故郷を追われることになった。
国益のためには国民の犠牲も厭わないのか。
過ちの代償を負わされた人々の苦悩と向き合い、満州移民から原発へと繰り返される国策の棄民史を検証する。

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