RKBテレビ「今夜は、おしものハナシさせてください」私たちが伝えたいこと

RKBテレビ「今夜は、おしものハナシさせてください」私たちが伝えたいこと

「Be colorful.」をテーマに企画・制作された RKB創立70周年記念番組「今夜は、おしものハナシさせてください」。【ジェンダーバイアス(性差の偏見)を無くそう!】をコンセプトに制作に携わった3名のスタッフにインタビューをしました。

メンバー
プロデューサー 報道部 吉賀亜希子さん
企画・立案・キャスティングなどを統括チーフディレクター 報道部 脇菜々香さん
「性的同意」パートの制作・番組のトータルデザインを担当ディレクター 天野茜さん
「生理」パートの制作を担当

-番組の企画から制作までの経緯は?

吉賀 「性」や「性差」のテーマは、以前『今日感テレビ』で取り上げて以来、現在OA中の『タダイマ!』の中でも定期的に放送しています。「夕方の番組で、どこまで表現できるか?」。毎回、探り探りで放送していましたが、時代の流れもあり今はまさに良いタイミング。「深夜番組ならもっと踏み込んだ内容にできる!」と、スタッフ全員前のめりで制作にあたりました。

『今日感テレビ』の放送は、たしか2019年の秋ごろでしたよね。アナウンサーの田畑さんが番組をお休みするタイミングで、スタッフも出演者も女性ばかりになる日があり、「生理」特集を組みました。

吉賀 「性」や「性差」のテーマは、以前『今日感テレビ』で取り上げて以来、現在OA中の『タダイマ!』の中でも定期的に放送しています。「夕方の番組で、どこまで表現できるか?」。毎回、探り探りで放送していましたが、時代の流れもあり今はまさに良いタイミング。「深夜番組ならもっと踏み込んだ内容にできる!」と、スタッフ全員前のめりで制作にあたりました。

吉賀 放送後に「実は男性にも知ってほしい内容だよね」という話になったんだよね。

そうでした。ジェンダーや生理の貧困などが多くの媒体で社会問題として取り上げられるようになった時期でしたね。私は入社1年目で、ディレクターの仕事も、「特集」の作り方も、正解がわからないまま「生理」特集を担当することに(笑)。番組冒頭で「生理」というテーマを大胆に掲示して、生理用品や「ノーバッグ・フォー・ミー」キャンペーン、生理に関する悩み紹介などを盛りこみながら、特集デビューを果たしました。

吉賀 そうだったね、初めての特集が「生理」だったとは! 制作スタッフは女性ばかりでしたが、それでも最初は「膣」と口にするのも恥ずかしかったんです。でも、だんだん慣れてきて、今ではどんな言葉もあけっぴろげに社内で飛び交うようになりました(笑)。

天野 私はその特集には携わっていませんでしたが、別の番組で生理用のショーツを特集したことがありました。それをきっかけに「生理」をテーマとして扱うことが増えていきました。

吉賀 そしてだんだん、みんなが下半身のテーマに注目するようになっていって……(笑)。

そうでしたね(笑)。

吉賀 そしてだんだん、みんなが下半身のテーマに注目するようになっていって……(笑)。

そうでしたね(笑)。

吉賀 そしてだんだん、みんなが下半身のテーマに注目するようになっていって……(笑)。

吉賀 今回は70周年を機に、待望の番組化が実現したわけです。普段は通りにくい企画テーマですし、これほどストレートに性について扱う番組はローカルでもめずらしいと思います。女性が普段抱いている「性のモヤモヤ」を中心に番組を組み立てたいと考えました。制作メンバーは女性6人で固め、今年の3月に企画会議を開いたんです。1時間の放送ではおさまらないほど、たくさんのテーマが話題に上りました。

今回のコンセプトである「ジェンダーバイアス(性差の偏見)」を中心に、AVやデートレイプなど、さまざまなテーマに触れています。その他、コンドームの付け方、セックスの地方差、フェムテック全体など、本当にいろんな案が出ましたよね。

天野 そうでしたね。笑いながら、でも真剣な会議でした。

-番組の内容について教えてください。

進行はRKBアナウンサーの辻満里奈と井口謙が担当。ゲストにタレントのバービーさん、ケンドーコバヤシ(以下、ケンコバ)さん、シオリーヌさんをお迎えしています。

吉賀 バービーさんはYou Tubeで配信された動画「初めての生理」が約300万回再生されるなど、実体験を交えた語りが多くの共感を得ている女性のオピニオンリーダー。性教育You Tuberのシオリーヌさんは、助産師の視点から性について明るくわかりやすく発信しています。ケンコバさんは「下ネタ大王」のイメージがありますが、優しくて女性へのリスペクトを持った方。男性の本音を素直に語ってくださると期待してキャスティングしました。

天野 バービーさんとシオリーヌさんは、全会一致ですぐに決まりましたよね。

吉賀 この2人なくして成立しないと思っていました。

天野 どなたも偏った視点でなく、フラットな視点でコメントされていたのが印象的です。

シリアスと笑いをバランスよく織り交ぜてくださいました。

-印象に残ったシーンやコメントは?

吉賀 ケンコバさんは「自分は女性がいないと生きていけない。だから女性の願いを叶えたいし、尊重したい」とコメントしてくださいました。相手へのやさしさ、リスペクトですよね。

私は、バービーさんとシオリーヌさんのアフタートークの収録が印象に残っています。そこでバービーさんが「こんなに幅広いテーマを、地上波で扱えるのは楽しい」とおっしゃっていました。女性ばかりではなく、ケンコバさん、井口アナウンサーといった男性出演者と意見交換できたのは良かった。

吉賀 番組中では20代の男女9人にzoomで出演していただき、リアルな反応を聞くことができました。さまざまな視点を盛り込みたいと思っていたので、これも実現できて良かったと感じています。

天野 私は「生理」のパート担当だったので、生理用品をスタジオにそろえたシーンが印象的です。ケンコバさんや井口さんにも商品に触れてもらいながら、男性としての率直な疑問や感想が聞けたのがよかったなぁ。夫婦や家族として一緒に暮らしていても、生理についてわからないことは多いと思うので、この番組が知るきっかけになればうれしく思います。

吉賀 20代を対象とした街頭インタビューでは、みなさんけっこうストレートに話してくださいました。そこで感じたのは「いかにAVの影響が強いか」ということ。これだけ情報の多い現代においても「幸せなセックスって何だろう」といった根本的なことが、正しく伝えられていないと痛感しました。

同感です。20代に限らず、性やセックスの知識の多くがAVから来ているんですよね。相手とのコミュニケーションがないまま、AVの演出をそのまま実践した結果、いやな思いをしていたり……。

吉賀 笑いながら話してくれてはいるんだけど、裏には深く悲しい問題もあると思っています。私自身、子ども3人いますが、子どもたちには性のことはきちんと伝えてこられなかった。こうした話って、急に話すものではなく、小さい頃からの積み重ねですから。

天野 家族など身近な人だからこそ話しにくい。「見えない壁」なんですよね。

潜在意識の中にある大きな壁です。でも、今からでも遅くないから、身を守るために話すべきことはたくさんあるんだと、収録を終えてあらためて感じています。

-制作を担当して、自分や周囲に変化はありましたか?

天野 社内ではどんどんオープンになって、「生理」や「セックス」といった言葉が飛び交ってますよね。

収録で使った生理用品も、紙袋などには入れず社内では堂々と持ち運びしていました。

吉賀 社内では「攻めてるね~」なんて言われることもありますね。別に「攻めてる」わけじゃないんだけどね……。今回扱ったのは、女性同士でもなかなか話さないテーマです。「人前ではあまり話してはいけない」と言われてきたし、性教育は男女別に受けてきた。でも、口に出す機会がなかっただけで、それは恥ずかしいことじゃないとあらためて気づくことができました。

収録で使った生理用品も、紙袋などには入れず社内では堂々と持ち運びしていました。

天野 社内ではどんどんオープンになって、「生理」や「セックス」といった言葉が飛び交ってますよね。

天野 社内ではどんどんオープンになって、「生理」や「セックス」といった言葉が飛び交ってますよね。

私は制作を通して「こんなに大事な問題に直結するんだから、積極的に伝えていきたい」という気持ちが大きくなりました。なぜこんな番組を今まで制作していなかったのか、疑問に思うほどです。性的同意や避妊の方法といったことについて「知ることが恥ずかしい」と思っている人の意識をどう変えることができるか。

吉賀 そんなわけで、充実した内容になったことは確実です。番組収録後にはみんなすぐに、次に扱いたいテーマのアイデアが出てたしね。女性の性欲について、コンドームのつけ方など、いろいろあります。

-視聴者へのメッセージをお願いします。

私が担当した「性的同意」のパートでは、再現VTRを通して「性的同意」とはどんなことかを描写しました。例えば「家に上がる=OK」ではないし、「肌の露出が多い服装をしている=OK」でもありません。「きちんとコミュニケーションを取れる相手と、幸せな関係を築きたい」という思いが前提ですが、「性的同意」には人々の認識や法律の問題など、さまざまな要素が絡んでいるんです。社会の現状と問題について考え続けるきっかけになればと思っています。

天野 生理の悩みは個人的にたくさん持っていたので、多くの人と共有できる機会ができてよかったと思っています。体験レポートや最新の情報紹介で知らないことを知り、悩みや問題を周りと共有して共感することが大切です。これを機会に男性にも女性のことをもっと知ってもらえたら。

私が担当した「性的同意」のパートでは、再現VTRを通して「性的同意」とはどんなことかを描写しました。例えば「家に上がる=OK」ではないし、「肌の露出が多い服装をしている=OK」でもありません。「きちんとコミュニケーションを取れる相手と、幸せな関係を築きたい」という思いが前提ですが、「性的同意」には人々の認識や法律の問題など、さまざまな要素が絡んでいるんです。社会の現状と問題について考え続けるきっかけになればと思っています。

吉賀 性の問題について言うと、日本は海外に比べて教育が遅れているとされています。また、ジェンダーに限らずあらゆる差別にあてはまりますが、お互いを理解することで初めて相手を思いやれるものです。このメッセージを、濃密な深夜番組という形式で福岡から全国へ発信できる意義は大きいと実感しています。

今回感じたのは、出演者のみなさんの視点の「やさしさ」です。決して声高に批判しない。相手の意見を受け入れながら、ご自身の考えを述べられていました。女性同士でも、それぞれに考えは違います。その違いを責めるのではなく、お互いに思いやりながら気持ちの良い世界をつくっていこう」という雰囲気が良かった。「やさしさ」とは、それぞれが1人の人間としてフラットに対話できること。ジェンダーバイアスに限らず、社会の課題についてこんなふうに捉えたらいいんだろうなと、出演者のみなさんの掛け合いが日常の過ごし方のヒントにもなったと感じます。

吉賀 どんな方でも観ていただきやすいよう、バラエティ要素も交えながら制作しています。「これが正解」という見せ方はしていないので、番組全体を通して何かを感じていただけたらと思います。




今夜は、おしものハナシさせてください 6月23日水曜 23:56~24:55
「生理の時ここが大変!」「理想のHはそれじゃない!」「これって性的同意なの?」などなど。現代社会で爆発寸前の”性”にまつわる女性たちのモヤモヤ!日本は「ジェンダーギャップ指数」が先進国の中でも最下位という悲しい現実…。
でも、日常にある勘違いを無くしていけば、どんな性の人も、もっともっと生きやすい世の中になるはず!そんな願いを込めて、幸せいっぱいの新婚バービーと、下ネタ王ケンドーコバヤシ、さらにオブザーバーとして”性教育ユーチューバー”シオリーヌも参加して、楽しく!そして真剣に!”おしもトーク”を展開します。

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