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秘宝を守る!最新窒素テクノロジー

東京国立博物館で3年前からミイラの保存用システムとして採用されている「窒素ガス保存システム」は、ガラス内の生物標本や文化財の劣化を大幅に 抑えて保存できるケース。

これを作ったのは宮崎県の西部、小林市にあるMUSIサイエンスの吉川辰美さん(70)。安全性を高めた窒素ガスの循環システムで特許を取得した。 吉川さんが窒素ガスシステムを作りはじめたのは趣味の昆虫の標本づくりがきっかけ。
環境にやさしい標本を作りたいと独学で研究した。 本職は惣菜屋、昆虫をいかにいい状態で保存できるかということだけを追求し、ここまでたどり着いた。
本人が「掘っ立て小屋」と呼ぶ研究所で地道に作業を行っている。

最近では古墳時代の鉄剣を輸送する際に同システムを組み込んだ特殊ケースが採用され、オーダーメイドの発注も受けている。
「次世代に貴重な文化財をいかにいい状態で残せるかお手伝いしたい」と話す吉川社長。
国内にとどまらず、世界へこのシステムをアピールしていきたいと次なる仕掛けを考えている。

<取材先データ>
会社:(株)MUSIサイエンス
担当者:吉川辰美
住所:宮崎県小林市南西方7724
電話:0984-25-2626
HP:https://kawagera19.bizweb.jp/

取材後記

取材の際に最も苦労したことは、雑木林の研究所にとにかく蚊が多いこと!
それだけ吉川さんの大好きな虫が他にもたくさんいるということですが、スタッフ一同初めてのロケで蚊に刺されまくったので最高級の虫除けスプレーを持参して取材しました。

おかげでその後はロケに集中することができました。実は、吉川さんは窒素ガスシステムの他にもオリジナルの樹脂なども開発しています。
それも全て虫を最適な状態で保存するため。そして、その虫たちを未来の子どもたちに見せたいという想いを常に持ち続け日々研究を行っています。

吉川さんのそんな人柄を今回の番組で感じていただけたら、とても嬉しいです。

担当:MRT宮崎放送 中本 奈緒

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