大分県津久見市の鳥繁産業は、全国唯一の「鮮度保持剤の総合メーカー」。 年間生産量5億個。現在は、全国で10000店舗を超える主にお菓子作りに関する店舗と取引をしており、 アジア諸国でも今ニーズの高まりを見せている。
1965年、「石灰を小袋に詰めて、乾燥剤として納品してもらえると助かる」と客から相談を受け、 砕いた石灰石を紙製の茶封筒に手作業で詰め、ホッチキスで止めて作ったのが、石灰乾燥剤製造の始まりだった。 それから約50年にわたり、企業が求める商品づくり、環境を配慮した商品づくりに心がけてきた。
今、顧客のニーズは幅広い。水分活性値の低いものから高いもの、賞味期限の短いものから長いもの、 要冷蔵の生和洋菓子、割れやすいもの、風味が変化しやすいもの、カビが繁殖しやすいもの、美しく見せたいものなど、 多様化するニーズに対応している。このニーズに対応できるのも、お菓子の鮮度保持剤の選定、賞味期限の設定、トラブルなどの相談をベースとした2,500件を超える鮮度保持試験の賜物だ。 さまざまな要望に応えながら、独自の技術で新市場開拓も目指す鳥越繁一社長(51)の取り組みを追う。
取材後記
相手のニーズに応え会社の幅を広げた鳥繁産業。
地域の声に耳を傾ける力が世界にも通じる会社となったように感じました。
今は保冷剤や脱酸素剤、シート状乾燥剤など様々な鮮度保持剤を作っている鳥繁産業ですが、その大元は津久見市の特産、石灰の製造・販売業でした。地域の海苔屋さんに頼まれ、石灰を使った乾燥剤を作り、そこから各メーカーの要望に応えて製品のラインナップを広げました。また中小菓子店から喜ばれたのは小ロットでの生産です。
大手の鮮度保持剤メーカーでは大ロットでの注文しか受け付けておらず、個人経営のお菓子屋さんではその在庫管理にも悩まされていました。 その中、鳥繁産業は小ロット・多品種の鮮度保持剤を提供することを強みとし、全国の中小菓子店へ販路を広げていきます。
そのお菓子屋さんと寄り添ってきた鳥繁産業の製品は、全国で10,000店舗以上のお菓子屋さんと取引していると推定されています。
鮮度保持剤には必ず、どこの会社が作ったものかが明記されています。
最近コンビニで買ったお菓子の乾燥剤にも「鳥繁産業」と文字があり、あらためて身近な企業であったことを知りました。
担当: OBS大分放送 三浦 大和
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