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伝統に旋風!~天領の下駄王子~

江戸時代、幕府の直轄地“天領”として栄えた大分県日田市。 林業の盛んなこの町の名物の一つが「日田下駄」。時代とともに、後継者が減っていく中、新しいアイデアで伝統工芸を守り、その魅力を発信しようと奮闘する若き職人が、本野雅幸さん(35)だ。 本野さんは25歳で家業を継いだ三代目。「下駄王子」と称され注目を集めている。

手掛ける下駄は、台の部分が全て地元日田産の杉。一方デザインは既成の枠に収まらない斬新な物が多い。希望の布をコーティングする華やかな「布あそび下駄」に、 かかとの高い「ヒール下駄」、地元のネイリストとコラボした「デコ下駄」等々。見た目はユニークだが、工芸品としては、いずれも父から受け継いだ匠の技に裏打ちされた出来栄えだ。

現代ファッションにもマッチする下駄作りにこだわり、若者ならではの柔軟さで日田下駄を盛り上げている。 外国人にも好評の日田下駄は、2010年にイタリア、2015年にはフランスにも出品。現在は、人気のアウトドアメーカー「スノーピーク」ともコラボし、海外にも展開していく。 「愛される日田下駄」をコンセプトに、挑戦を続ける若き職人の姿を描く。
取材先
会社名:本野はきもの工業
担当者:本野雅幸さん
住所:大分県日田市三芳小渕町1080-3
電話:0973-22-4460

取材後記


江戸時代、幕府直轄の天領として栄えた大分県日田市。 そして、当時から伝わる伝統工芸が“日田下駄“。 手掛けている本野雅幸さんは、ネイリストやクラフト作家など、多くの方たちと協力して、 “日田下駄”を新たな形で世に売り出しています。

「斬新な下駄をきっかけに、昔ながらの下駄にも興味を持ってほしい。」 「伝統を残したいのが1番なんです。」 本野さんのこう語るのには理由があります。 現在、日田で下駄産業にかかわる人は年々減少。 下駄専門で、木材を加工する製材所は1件。 最盛期200件あった下駄屋も、10件にまで減っています。

こうした現状を打破するために、あえて新しいことに挑戦し、 出来上がったのが“新しい日田下駄”。 実際にみると分かりますが、非常にオシャレでとってもキュート! しかも履き心地抜群! 新たなオシャレアイテムとして、流行する日も近いかも!?

現在は全国展開を行うショップや、インターネットでも日田下駄を見ることができます。 この夏、足元からオシャレを初めてみませんか?
担当:OBS大分放送 高橋 宏明

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