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建物を出力する!?3Dプリンター駅舎

建物を、プリンターでつくる――。そんな常識を覆す建築が、熊本から生まれている。


和歌山県のJR紀勢線にある無人駅、初島駅。白を基調にした外観に特産のミカンを模った装飾が施されたこの駅舎、実は世界初の新しい建築手法によって誕生した。3Dプリンターで製造した部材を工場で出力し、現地で組み上げる――それが、この駅舎の建築法だ。
 

その部材を出力したのが、熊本県水俣市の電気設備会社・立尾電設。3代目社長の永田士朗さん(54)は、本業の電気工事や消防設備点検で培った技術を生かし、建築用3Dプリンターを自社工場に設置、わずか2人で部材を出力し、現地での組み立ては約2時間で完了。コストは従来の半分に抑えられた。
 

永田さんが3Dプリンター建築に関心を持ったきっかけは、住宅建設の映像、「職人に頼らずロボットがつくる建築なら参入できる」と考えた。この技術は、施工の省人化や工期短縮を実現する新たな建築手法として注目されている。

 

人手不足や資材価格の高騰といった課題を抱える建設業界に、新たな可能性を示すこの技術。災害時の仮設住宅や地方のインフラ整備への応用も期待されている。

 

建物のつくり方はどう変わっていくのか。その最前線を追う。
 

<取材先データ>  
立尾電設 株式会社
代表取締役 永田 士朗さん
〒867-0002
熊本県水俣市初野75-1
TEL 0966-63-4336
FAX 0966-62-2334

 

取材後記

 

世界初となる3Dプリンター駅舎の存在は知っていましたが、それが水俣で出力されているとは!と驚いたのが取材のきっかけです。

 

「とにかくやろう」という永田社長と「社長に付いていけば面白い仕事ができる」という技術者との関係性からは、昭和根性のようなものを感じました。扱うのは最先端技術ですが、半世紀以上にわたり培った職人精神があるからこそ、新規参入ながら短期間で様々な建物を出力することができたのだと思います。

 

3Dプリンターの技術がさらに進歩すると、今では想像がつかない個性的なデザインの建物がどんどん生まれてくるはずです。ウクライナの復興住宅、電気設備のノウハウを活かした出力・・・これからの立尾電設の活躍に注目です。
 

(RKK熊本放送/吉野友規)

 

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