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和室を世界へ

熊本「和室」を海外へ輸出するプロジェクトが立ち上がった。メンバーは製材業・建築業に関わる有志一同。そのリーダー的存在は製材業の山口哲平さん(35)。

現代の建築様式では木材の需要は限られており、さらなる木材の活用を目指し「木の玩具」づくりにも挑戦してきた。そんな山口さんに声がかかる。「日本建築」への関心が高まりつつあるアジア地域をターゲットに、県産木材の販路拡大と建築技術によるビジネス構築が目標のプロジェクトに参加して欲しいというのだ。メンバーの中には大工の長濵満則さん(65)の姿も。木材加工を得意とする昔気質の棟梁だが、現在の家づくりではその技術を披露する現場も少ない。「日本の伝統技術を未来へ残す」ためには海外でその素晴らしさを認めてもらうことが必要と考えたのだ。

アジア各地の視察や展示・検討を進める中、タイから集合住宅のモデルルーム施工の依頼が届く。そして4月視察団が熊本を訪れた。アジアが求める日本の魅力、タイでの「和室」建築実現のために大切なことは何か。木材と伝統建築で表す「和室」の魅力を世界へ伝えるため、匠たちの新たな挑戦が始まった。
■取材先
プロジェクト名:サムライウッドプロジェクト
<「和室」の海外輸出で県産材の販路拡大を目指す>
担当者:熊本県林業振興課
住所:熊本市中央区水前寺6丁目18-1
電話:096-333-2446
Facebook:www.facebook.com/samuraiwood/ その他:動画 ①侍編?②職人編

取材後記

プロジェクトの話を初めて聞いたとき「なぜ今海外なのか」という思いがよぎった。 熊本県の建築業界は熊本地震の影響で人手が足りない状況だ。 また、全国的にも、建築関係の業種は好景気。消費税増税前の駆け込み需要、さらにオリンピックパラリンピックにむけての建築ラッシュで活気に満ちているはず。

しかし、実は現場で働く職人たちにとってはいつまでこの状況が続くのか不安の方が大きいという。この好調な時期が終わってしまう前に新たな道を開拓しておくこと…この点も今回のプロジェクトの大きな役割の一つなのだ。 建築件数は増加していても、昔ながらの木材による日本家屋の着工数は少ない。日本ブームの今こそ伝統建築の魅力を見直してもらうためアジアへ発信する。 指導に当たる棟梁の長濵さんは言う。

「現代建築は工場での作業に頼りすぎている。技術があれば災害があったときにも腕と自分の道具だけで家を建てることができる。」 熊本県全域で取り組む予定だったこのプロジェクトは、熊本地震の発生により被害が少ない水俣・芦北地域の職人たちからのスタートとなった。参加チームが県全体に広がった時が、熊本が地震から復興できたときなのかもしれない。
担当:RKK熊本放送 浅木真由美

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