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絶景のぼるモノレール

どんな斜面でも登りつづけるモノレールがあることをご存知だろうか。そして、そのモノレールから広がるのはまさに絶景。全国各地の絶景を届けるため、福岡県飯塚市の「嘉穂製作所」が製作しているのが斜行モノレール「スロープカー」だ。植村一雄社長(61)のもと約50人の社員が千差万別の斜面に対応するため、設計、製作、さらには保守サービスまで。顧客の意見を聞きながら一つ一つ手作業で作られている。大型の機械は一切使わない。

まさに、かつてこの地にあった鉱山技術者たちの魂を受け継ぐ技術者集団だ。最大傾斜50度まで登ることが出来るその鍵は「3つのブレーキ」が握っている。さらに、ベビーカーや車イスでも乗れるようにどんな斜面でもモノレールの床は平らなままだ。これらの技術によって嘉穂製作所のモノレールは絶対的な安全と信頼を勝ち得てきた。

そして、現在、全国に130台、そして韓国に30台のモノレールを納品。移動手段としてだけでなく、1つのアトラクションとしても愛されている。福岡から全国そして世界へ。各地の絶景スポットを支える嘉穂製作所の技術とモノレールにかける人々の姿を追った。
■取材先
会社名:株式会社嘉穂製作所
担当者:植村一雄 代表取締役社長
住所:福岡県飯塚市大分567
電話:0948-72-0390
HP:https://www.kaho-monorail.com/

取材後記

モノレールと聞くと東京モノレールや北九州モノレールといった交通機関として利用されるものを思い浮かべることが多いと思います。私もその一人で「斜行モノレール」といわれてもイメージがなかなかわきませんでした。
そんななかで、嘉穂製作所に取材に行くと驚きの連続でした。

全国各地の絶景スポットには欠かせない存在として移動手段にとどまらず、一つのアトラクションとして人々に親しまれていました。一つとして同じ傾斜地はないためすべてが世界で一つだけの製品。そして、何よりも安全性に絶対の自信を持っていました。「三段構えのブレーキ」をはじめ、どんな傾斜地でも対応できるその技術は、炭鉱の町として栄えた筑豊に宿る技術者魂なのかなと感じました。今後、日本や韓国だけでなく世界中に嘉穂製作所のモノレールが広がっていく可能性があると思います。

嘉穂製作所のモノレールのファンは全国にいるそうです。それだけ魅力あふれる乗り物で、私もすっかりそのなかの一人になりました。
担当:RKB毎日放送 成瀬裕介

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