【特集】“蒸気”さえ割高に・・・原油高でクリーニング業の打つ手は?-福岡

【特集】“蒸気”さえ割高に・・・原油高でクリーニング業の打つ手は?-福岡

ロシアによるウクライナ侵攻が原油高騰に拍車をかけ、福岡のクリーニング業の経営にも暗い影を落としている。溶剤を回収し再利用したり、稼働する工場を減らしたりしてコストを抑える工夫をしているものの、廃業を決めた業者も出てきている。

取材:RKB小畠健太

新型コロナで需要減少

福岡市を中心におよそ150店を展開する「パンジークリーニング」の工場。各店舗から回収したワイシャツなどこの日も大量の布製品を洗濯していた。しかし、新型コロナの影響により外出の機会が減少し、ワークスタイルも変化したことでクリーニング自体の需要は以前よりも3割ほど減ったという。

「外出自粛によって出かける頻度が減って、テレワーク、それから出張自体がなくなったりして、ワイシャツとかスーツ類というのが激減した」(永石社長)

永石社長は、新たに集配の事業を始めるなど打開策に取り組んでいた。そこに追い打ちをかけたのが原油価格の高騰だ。

「こちらが油、石油系の溶剤で洗っているドライクリーニングになります」(永石社長)

ドライクリーニングは、石油由来の有機溶剤を使用している。原油高に伴ってその溶剤が値上がりしているのだ。

「ずっと高騰し、一昔前からすると2倍、3倍という形に上がってきています」(永石社長)

永石社長の工場は、新型コロナが流行する前からハンガーのリサイクルや仕上がった服に使う袋を薄くするなどのコスト削減策に取り組んできた。さらに、洗浄に使った溶剤を回収して再利用するなどの工夫をしているという。

ただ、影響はこれだけではない。

原油高は“蒸気”にも影響?

「重油を使ったボイラーです。衣類の乾燥や仕上げの工程などあらゆる場面で必要となる蒸気を発生させています」(RKB小畠健太)

クリーニング工場は、乾燥機やスチームアイロンでしわを伸ばす仕上げなど、ほとんどの工程で「蒸気」を必要とする。蒸気を発生させるボイラーを稼働させるため、1つの工場で月に5000リットルもの重油を使う。

さらに、衣類をかけるハンガーにも影響が・・・

「ハンガーは原料がナフサによるので、原油の高騰にはあまり影響はされなかったんですけど、やはり原油の高騰幅が上がってからですね、10%位の値上げがメーカーから来て非常に痛手です」(永石社長)

もはや打つ手なし・・・廃業する業者も

パンジークリーニングは、客から預かった衣類を集約し、稼働する工場を絞り込むなどコスト削減を図っている。今のところ価格は据え置きのまま営業を続けている。しかし、コロナ禍と原油高騰のダブルパンチを受け、すでに廃業する業者も出てきているという。

「何社かすでに廃業されたところもあります。まず平和であると言うことが一番だと思いますし、それによって原油が安定的に供給される、結果的にはやはり原油が下落して、安いコストで出来るというのがありがたい話だとは思う」(永石社長)

オンエア情報

この特集は、3月21日にRKB地上波テレビで放送した内容を基に構成しました。オンエアの内容は期間限定で公式Youtubeで公開します。

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