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「インフル集団感染」のおそれ?4年ぶりに“普通”の運動会で懸念

今週末も多くの学校で、運動会や体育祭が予定されています。これまで3年間、学校行事に大きな影響を及ぼした新型コロナの感染対策が大幅に緩和され、今年は多くの人が集まってにぎやかに応援する例年通りの風景が戻る学校が増えそうです。一方で、体育祭の後に患者の急増する事例が報告される「インフルエンザ」が懸念されています。


◆声が出せる運動会、4年ぶりに実現で「感極まる」
篠原美佳校長「大きな声を出すところは大きな声を出す。練習の成果を十分に発揮してください」

福岡市城南区の堤小学校では今月14日、全校児童の約530人が参加して運動会が開かれました。去年は2部制で開催したため、すべての学年がそろう運動会は4年ぶり。応援の場所を確保するために早朝から行列する保護者の姿も復活しました。

児童「学年で集まってみんなの努力が見えるのがすごくいい」
保護者「4年ぶりなので感極まるものがある。去年まで抑えていたから、うれしそうなのが一番いい」
篠原校長「みんな思いっきり応援していたのでその姿が一番。今まで個人活動が多かったので、みんなで協力して作りあげるのが楽しいことをわかってもらえたらうれしい」


◆毎年1000万人が感染するインフル「いくらでも感染機会」
大分県や宮崎県の高校では今週、インフルエンザの集団感染が起きています。いずれも体育祭の後に患者が急増したそうです。インフルエンザといえば冬のイメージがあり、体育祭の会場は屋外です。なぜ感染が広がったのか専門家に聞きました。

北九州市立八幡病院・伊藤重彦名誉院長「インフルエンザがそれなりに周りに生存している中でマスクを外した。だいたい11月ごろに打ったインフルエンザのワクチンは4、5か月を過ぎてくると抗体価が下がってくるといわれています。体育祭といえども屋外であっても、インフルエンザという毎年1000万人かかるような感染力のある飛沫感染ウイルスであればいくらでも感染する機会はあった」


◆「大丈夫でないかもしれない」の意識がより重要に
福岡県でも、先週1週間の定点把握で報告されたインフルエンザの患者数は1医療機関あたり1.19人と、流行期を示す基準の「1」を下回らない状態が続いています。感染対策による制限がなくなり、多くの人が集まる今年の運動会。専門家は、感染した可能性のある人が、周囲へ広げない取り組みが必要だと話します。

伊藤名誉院長「体調の悪い方、軽く鼻水や咳が出る方は、大丈夫だろうではなく、大丈夫でないかもしれないという思いで最低でもマスクをつけて参加していただく。エチケットをしっかり守っていく、うつさないという気持ちで対応してもらえれば」

福岡県内でも今月に入ってから、福岡市の小学校と高校で8クラスが学級閉鎖し、北九州市でも6クラスが学級閉鎖、2校が学年閉鎖しました。インフルエンザの流行が続く中、今度の土日も福岡市だけで小・中学校24校が運動会や体育祭を予定しています。感染対策と熱中症の予防も意識しながらの催しになりそうです。

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