「デビ高橋の昼飲みでほろ酔い」でいう昼飲みとは、明るいうちからお酒を飲むこと。ランチタイムから、夜営業より少し早い15~16時頃にお酒を楽しめる店を紹介します。
熊本・並木坂に本店を構え、人気を集める「庶民の酒場 大富豪」。2025年10月に福岡市・渡辺通へ出店してから約9か月が経ち、昼飲みや一人飲みができる酒場として徐々に存在感を高めている。場所は2024年1月にオープンした系列店「つけ麺 魚雷 天神店」の近くだ。
店名の「大富豪」は、庶民的な価格で大富豪になったような気分を味わってほしいという思いから付けられたという。その名の通り、気軽な価格でもつ焼きやもつ煮込みを楽しめる大衆酒場だ。
看板メニューは豚のもつ焼きともつ煮込み。営業時間は15時からで、昼飲みができるのも特徴だ。本来のコンセプトは「仕事帰りのサラリーマンが安くサクッとひとり飲みできる店」だそうだが、15時から営業しているため、休日の昼飲みはもちろん、少し早めの一杯にも使い勝手が良い。実際に2~3杯飲んで軽くつまんでも2,000円前後で楽しめるのはありがたい。
店はひとりでも入りやすい雰囲気づくりを意識しており、その結果、女性のおひとりさまにも好評とのこと。カウンター席が中心で、一人でもふらりと立ち寄りやすい。
そんな店を営むのが、熊本出身のオーナー兼店主・成松守さんだ。
学校卒業後は車関係の会社に就職。その後、23歳で独立し、自ら車関係の会社を立ち上げた。さらに印象的なのは、独立前の22歳のときに全身へタトゥーを入れたこと。「もう普通の会社員には戻れないという覚悟を決めるためだった」と振り返る。
飲食業に進んだきっかけは、まだ熊本につけ麺専門店がほとんどなかった頃に知人がオープンしたつけ麺店だった。その味に衝撃を受け、スープの炊き方などを教わりながら自ら店を始めたものの、当初は思うようにお客が来なかったという。そこから食べ歩きを重ね、独学で試行錯誤を繰り返した末に現在の「魚雷」のスタイルを築き上げた。
さらに酒好きでもある守さんは、東京でもつ焼き店を巡る中で、その独特の雰囲気に魅了された。縁あってもつ焼きのノウハウを学び、2023年にグループ店として熊本・並木坂に「大富豪」をオープン。現在はこの店が本店となっている。福岡出店のきっかけは、関東のもつ焼き酒場のような雰囲気を持つ店が福岡には少なかったこと。そして、裏天神で理想的な物件と巡り合えたことだという。
見た目は迫力があるが、実際に話してみると気さくで親しみやすく、笑顔が印象的な人物だ。常連客だけでなく女性ひとり客が多いのも、その人柄によるところが大きいのだろう。個人的には1~3名くらいで訪れ、カウンター席で守さんと話をしながら飲むのがおすすめだ。
まず注文したいのは「タン刺し」(500円)。豚タン特有のしっかりした歯ごたえがあり、さっぱりとしたタレで食べる人気メニューだ。
「定番 カス煮こみ」(500円)も外せない。シロを中心に5~6種類の部位が入っており、もつ焼きの端材を活用して作られている。具材はねぎともつだけというシンプルな構成だが、だからこそ素材の旨みが際立つ。個人的にも好みのタイプのもつ煮込みだった。味付けには熊本の老舗味噌を使用しており、守さんが好きな味噌煮込みの名店の味を参考に仕上げているそうだ。
「レバカツ」(450円)は豚レバーを叩いて薄く伸ばしたもの。ソース味で食べやすく、揚がるのも早い。レバーが苦手な人でも試してみる価値がありそうだ。
そして意外な人気メニューが「酢豆腐」(250円)。しそ酢に漬けた豆腐にゆかりを加えた一品で、しっかりした塩味が酒によく合う。シンプルながらクセになる味わいで、ハマる人が続出しているというのも納得だ。
もつ焼きもぜひ味わいたい。
「上シロ」(200円/本)は脂の多い直腸を使用。「ハラミ」(150円/本)は紅生姜味噌とともに楽しむ。「タンモト」(150円/本)はしっかりした食べ応えがあり、「チレ」(150円/本)は脾臓の部位で、レバーに似ていながら独特の食感が楽しめる。
これらの串を支えているのが自家製のタレだ。関東の濃口醤油をベースに、煮詰めすぎず旨みをしっかり引き出すことを意識しているという。仕込みには約4時間をかけ、寝かせながら継ぎ足して使用。濃厚ながらも重たさがなく、口当たりが良いのが特徴で、もつの旨みをしっかり引き立ててくれる。
酒も個性的だ。
「ボール」(500円)は焼酎ハイボールに梅シロップを加えたもの。「金魚」(500円)は焼酎のソーダ割りに唐辛子と青じそを加えた一杯で、爽やかな香りとピリッとした刺激が面白い。
また、「ホッピー白」(500円)や「ホッピー黒」(500円)も用意されており、中身のキンミヤ焼酎「ホッピー中」(250円)を追加すれば、合計1,000円で3杯楽しめる。コストパフォーマンスの高さも魅力だ。
今後は「大富豪」の店舗展開だけでなく、大衆立ち飲み業態や油そば業態の出店も計画しているという守さん。熊本で培った酒場づくりが福岡でどのように広がっていくのか注目したい。
仕事帰りの一杯はもちろん、休日の昼飲みや一人酒にも使いやすい「庶民の酒場 大富豪 天神店」。気軽に立ち寄って、大富豪気分を味わってみてはいかがだろうか。
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