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工藤会「しかるべき人間に譲りたい」控訴審の被告人質問でナンバー2 解散・脱会の意思示さず

市民を標的とした4つの襲撃事件に関与したとして、1審で死刑の判決を受けた特定危険指定暴力団「工藤会」(本部・北九州市)トップの野村悟被告(76)と、無期懲役の判決を受けたナンバー2の田上不美夫被告(67)の控訴審が27日、福岡高裁で開かれました。田上被告は2事件について関与を認めましたが、工藤会については「私は譲り受けた身。しかるべき人間に譲りたい。工藤会をなくすつもりはありません」などと、解散や脱会の意思がないことを示しました。

1審では2人とも関与を否定

 

福岡高裁の法廷に出廷したのは、特定危険指定暴力団・工藤会の総裁・野村悟被告と、会長(ナンバー2の役職)、田上不美夫被告です。2人は、2012年に福岡県警の元警部が襲撃された事件など市民を標的とした4つの事件に関与したとされています。1審・福岡地裁では、2人とも関与を否定し無罪を主張しましたが、福岡地裁は関与を認め、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役の判決を言い渡していました。

工藤会ナンバー2「傷つけるよう指示しました」1審から主張一転

 

27日の控訴審は、田上被告の被告人質問から始まりました。弁護側から「4件について関与はありますか」と聞かれた田上被告は、「はい、あります。看護師事件と歯科医師事件です」「傷つけるように指示しました」と、1審から一転して関与を認めました。ほかの2事件については「関与しておりません」と述べました。

 

 

関与を認めた2事件のうち、看護師事件については、「総裁を侮辱してからかったと聞き、かっときました」などと動機を説明。歯科医師事件については、知人を漁協幹部にしようと考えていたところ、漁協幹部を務める歯科医師の父親が拒むような動きをしたため、「なめられていると思いました」「家族を傷つけようと思いました」と説明しました。

被害者に謝罪も野村被告の関与は否定

 

1審から主張を一転させた理由については、「弁護士から被害者のこと、私の指示で長い懲役に行ったことに向き合うことが本当ではないかと言われました。もう本当のことを話そうと思って、決めました」と説明し、被害者に「本当に悪かったと思います」と謝罪の言葉を述べました。
一方、自身の指示を認めた2事件での野村被告の関与は否定。関与を認めた1審判決について、「全部推認、推認で総裁は被害者の名前すら頭にないだろうし、何で(総裁が)共犯になるんだと思いました。自分の判断で総裁まで巻き込んで申し訳ないという気持ちです」と野村被告への謝罪の気持ちを明かしました。

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