請求内容を知っていたのは「総務課職員1人」と「町長」だけ
今年8月に武田氏が福岡市で開いた政治資金パーティーにも顔を見せた永原町長。過去の選挙で武田氏の選対本部長を務めるなど、町長が自分で「兄弟のようにしている」と表現する関係だ。その武田氏側に大任町から情報漏えいはあったのか?永原町長は、証拠がないとして否定する。
永原町長(先月25日)「大任町職員、あるいは私でもいいですが、武田事務所に電話をして『情報公開が出ました』と。これについてね、何とか抑えてください、いいですか、という録音があるんですか?証拠」
RKB今林隆史「大任町か請求者本人しか知らない請求内容が別の武田議員の秘書かどうかわからない第三者が知っていたということです。つまり大任町役場か請求者。どちらかが言ったか」
永原町長によると、情報公開請求の内容を知っているのは総務課の職員1人と町長自身だけだ。職員は調べに対し情報漏えいを否定しているという。
永原町長「本人に聞きました。担当者に。秘書の名前も知らない、今まで過去に話したこともない武田事務所と」
記者「知り得る方は担当者と町長?」
永原町長「あなたたちの目的は、町長が漏らしたって言いたいだけの話でしょう。だから特別職は守秘義務違反になるかわからん。この前調べさせたら、いや特別職は守秘義務違反って言わんと」
当時の大臣は「関与していない」と話す
RKBは武田良太氏に情報公開に関して秘書が電話をした事実があるのかなどを質問。個別の質問には答えず「本件について一切関与しておりません」とする回答が届きました。情報公開を活用し行政をチェックしてきた市民団体の代表は田川地区で起きた漏えい事件を危惧する。
オンブズマン児嶋研二代表幹事「国会議員に漏れました。そうすると9月にですね、大任町は情報公開条例を改正して、1年以上住んでいる人しか情報公開請求ができないと条例を変えてしまったわけですね。大任町の情報公開に対する姿勢というのは非常に問題があるというふうに思います」
大任町議会には、この問題を調査する「調査特別委員会」の設置を求める議案が出された。提出した宮地議員は「よそに情報が漏れることに大変、危機感を覚えています。早急に議論しないと、大任町民の生命や財産を守れない」と説明する。この議案は賛成少数で否決された。情報公開をめぐっては、田川市に情報公開を請求した人物の名前が永原町長に漏えいした疑惑も取りざたされています。なぜ疑惑が相次ぐのか?情報公開の請求者を制限する条例が元に戻され、入札結果を非公表とする法律違反状態が解消されても、大任町の情報公開をめぐる闇は深いままだ。
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この記事を書いたひと
今林隆史
1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。