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「きっかけはイノシシ対策」藍染めに魅了された福岡県八女市の女性

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RKBラジオのコミュニティカー「スナッピー」のキャスタードライバーが、エリアの各地で発見したもの、驚いたものをリポートする『Toi toi toi』内のコーナー「スナッピーのWow wow wow」。8月22日は、福岡県八女市で藍染めに魅了され、独学で習得に励む女性を取材した。(報告・スナッピー神谷留菜)

「イノシシ対策」で栽培を始め藍染めの虜に…

「藍染めをこよなく愛する人がいる」と聞いてやってきたのは、八女市黒木町にある民家。出迎えてくれた鍋田百子さんが着用していたのは、すべて自分で染めたという藍色の服です。さらに、靴まで藍染めされていました。

鍋田さんは夫婦で米や茶を栽培し、タケノコや栗なども収獲する農家ですが、その傍ら、去年から独学で藍染めを学びはじめました。原料となる植物「タデ藍」を自宅裏の畑で栽培しています。青々と生い茂る藍の葉は、今がまさに収穫の最盛期。

「タデ藍を栽培するようになったのは、もともと染物をするのが目的ではなく、イノシシがタデ藍の臭いを嫌って、農作物の被害が受けにくくなる、いう話を聞いたからなんです」と鍋田さん。しかし、藍色の美しさに魅了され、今でも日に日に藍染めの虜になっているそうです。

発酵・熟成に1年かけて原料に

多数の製品が置かれている工房に入ってまず驚いたのが、ツンとした発酵臭。この独特な香りは藍染めの原料に理由があります。収穫したタデ藍の葉は乾燥させたあと、発酵・熟成して堆肥状にします。
 

瓶の中に入っている藍染めの素となる液体は、藍色というより黒色っぽい印象。手を入れてみると、ドロっとしています。この藍液の発酵・熟成には約1年かかったんだとか。
 

まるで光を反射しているかのようなきらめき

この藍液に白い布を入れ、優しく揉んで浸透させます。私は輪ゴムで縛った小さなガーゼを、絞り染めにしてもらいました。1分間ほど揉みこませたら、液の中から引き揚げます。真っ黒になったガーゼを水ですすぐと、きれいな藍色に! 太陽の光に照らすと、きらめいているようにも見えます。

鍋田さんは「今ハマっているのは、薄いレース生地を染めること。レースは深みのある色に染めると、とても美しくなるんです」と目を輝かせていました。

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神谷 留菜

スナッピー

出身地:沖縄県那覇市 誕生日:8月23日 趣味・特技 カラオケ、一人旅、スパイスカレー屋さん巡り、小倉祇園太鼓