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未来の料理人を育てる学生レストラン「プランタン」

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「学生が運営するレストラン」と聞くと、実習の延長のようなものを思い浮かべる人が多いかもしれない。しかし、中村調理製菓専門学校のレストラン「プランタン」は、そのイメージを良い意味で覆してくれる。

プランタン 学生集合写真

2026年4月から新たなコンセプトとして掲げたのは、「学生が運営するスローフードレストラン」。厨房だけでなくサービスまで調理師科2年生が担当し、西洋料理、日本料理、中華料理、ケーキショップの4業態で営業している。
「スローフード」とは、1980年代にイタリアで始まった運動で、地域の食文化や伝統的な食材を見直し、生産者や環境を守ることを目的としている。大量生産・大量消費のファストフードとは対極にある考え方だ。

メニュー

その理念を形にするように、「プランタン」では福岡県産の食材を積極的に使用している。この日いただいた中華コースでも、小金丸農園のフルーツトマト、玄界灘産のタコやキアラ(アオハタ)、博多和牛、博多地鶏、夢つくし、荒木豆腐店の豆腐など、福岡の豊かな食材が随所に使われていた。

価格はワンプレートランチが1,800円、コースが2,800円。今回いただいた中華料理の2,800円のコースは、前菜からデザートまで全6品(※日本料理では7品構成)と十分な内容だ。
一般の飲食店ではなかなか実現が難しいほど食材を惜しみなく使った内容で、もちろん、これは利益を追求するためのレストランではないからこそ実現できるもの。学生が実践を通して学ぶ教育の場だからこそ、質の高い料理を手頃な価格で提供できている。

このレストランは、学生が実際の店舗運営を経験するための「実践教室」。仕込みや調理、盛り付け、サービスまで、本番さながらの営業を通して料理人として必要な技術や心構えを学んでいく。

通常営業では先生が考案したレシピを学生が忠実に再現しているが、12月から1月は卒業を控えた学生が考案したレシピを提供する。

博多和牛の黒胡椒炒め 玄界灘産キアラのエスニックソース仕立て 自家製辣油を使った麻婆豆腐 杏仁豆腐と台湾カステラ

この日の料理で特に印象に残ったのは、「博多和牛の黒胡椒炒め」。大きめにカットされた博多和牛はやわらかく、旨みもしっかり。一般のランチではなかなか味わえない贅沢な一皿だった。
「玄界灘産キアラのエスニックソース仕立て」も彩りが美しく、白身魚の上品な味わいを引き立てていた。締めの「自家製辣油を使った麻婆豆腐」は、まずはそのままで辛味と旨みを楽しみ、その後ご飯と一緒にいただくと、食べ応えのある締めになる。デザートの「杏仁豆腐」と「台湾カステラ」まで丁寧に仕上げられ、最後まで満足度の高いコースだった。

一方で、サービスはまだ勉強中という印象も受けた。料理の説明は一生懸命だが、声が少し小さく聞き取りづらいこともあった。また、料理名をあえて記載しないメニューをもとに、一品ずつ口頭で説明するため、料理の内容が伝わりにくいと感じることもあった。
しかし、それもこのレストランの価値の一つだと思う。学生が実践を通して学ぶ場だからこそ、緊張しながら接客する姿を見ていると、「頑張ってほしい」という気持ちが自然と湧いてくる。

学校では約40人のお客が来店して初めて、学生たちは実際の忙しさを経験できるという。多くの人に利用してもらうこと自体が、学生にとって大切な学びにつながるのだ。
現在は学生の家族や近隣住民がリピーターとして利用することが多いそうだが、この取り組みをもっと多くの人に知ってもらいたい。

外観

ここは単なる学生レストランではない。
福岡の生産者が育てた食材を味わい、未来の料理人を応援し、その成長を間近で見守ることができる場所である。
料理を楽しむだけでなく、福岡の食文化を次の世代へつないでいく。そんな役割も担う「プランタン」は、多くの人に一度訪れてほしいレストランだ。

営業日は西洋料理、日本料理、中華料理、ケーキショップによって異なり、学校のホームページで営業スケジュールを確認できる。予約はホームページからリンクしている「TableCheck」で受け付けているので、事前予約もスムーズだ。未来の料理人たちの学びの場を、おいしい料理とともに体験してみてはいかがだろうか。

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この記事を書いたひと

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