2025年7月、東区青葉に「COURAGE CAFE」(クラージュ・カフェ)がオープンした。自宅から近いので気になってはいたが初めて伺ったのは翌年の3月。アメリカンでオシャレな内装で特にパスタが美味しいと地元で評判になっているカフェだ。
確かにどのパスタも専門店並みに種類もたくさんで美味しいだけでなくボリューム満点。人気なのが納得だ。ケーキやスイーツ、アレンジトーストも数多く用意されておりカフェとしてもちゃんと楽しめる。オーナーと話をしてみると、1900年代半ばのアメリカ文化が大好きという話も面白かったので今回取材させていただくことにした。
日本航空勤務のサラリーマンから飲食業界へ
オーナーの脇田裕樹(わきた・ゆうき)さんは、1984年生まれの篠栗町出身。高校卒業後に日本航空に勤務。グランドハンドリング(空港支援業務)を担当していたそうだ。
― グランドハンドリングとは具体的にどんな仕事をされていたんですか。
裕樹さん 福岡空港に離発着する飛行機を駐機場に誘導するために牽引したりバックで押したりする仕事を担当してました。みなさんも飛行機の中から見たことがあると思いますが、駐機場を離れる飛行機に地上から手を振って「いってらっしゃい」というのもやってましたよ(笑)
― それがどうして飲食の世界へ?
裕樹さん 将来は独立して自分の店を持ちたいという夢があったんです。元々料理が好きだったので、いつかは飲食業界で頑張ろうと思っていました。25歳の時に結婚したタイミングで日本航空を退職して飲食業界に入りました。
― 結婚したタイミングで転職とは思い切りましたね。
裕樹さん 35歳で独立という目標を立てたので早い方が良いと思って決断しました。それからパスタ料理を中心とした洋食店などを展開している会社に就職しました。グループ店の和食料理店でも経験を積み合計4店舗で働きました。
― しかし35歳でオープンは出来なかったそうですが。
裕樹さん 35歳になった頃から開業準備に入ったんですが、ちょうどコロナ禍に突入してしまってしばらく様子をみることにしました。その後コロナ禍が収束後にチャンス到来!!という気持ちで物件探しに入りました。
「COURAGE CAFE」オープン
いくつかの物件を見て回った後に、物流倉庫として使われていた現在の物件が見つかり、内装工事に取り掛かったそうだ。
― 店名の「COURAGE CAFE」(クラージュ・カフェ)の由来について教えてください。
裕樹さん 僕の名前が“ゆうき”なんです。それを“勇気”という意味の“COURAGE”にして、さらにフランス語読みにしました。飲食業界で勇気をもって独立した決意と、これから出会うであろう様々なお客様に勇気を与えられるような店になりたいという思いを込めました。ちなみにフランス語で“COURAGE”は“頑張れ”という意味にもなるんです。
― なるほどですね。では、東区青葉という住宅街を選んだ理由は何でしょうか。
裕樹さん 自宅が同じ町内なんです。朝から夜までいろんな方に来てもらえる店にしたくて、それだったら自宅から近いほうが便利だなと思ったんです。最初の頃は朝7時から営業してました。今は9時オープンですが。夜は相変わらず22時まで通し営業です。
― アメリカンな雰囲気の店内はインテリアへのこだわりが半端なさそうですね。
裕樹さん 高校生の頃から“ミッドセンチュリー”と呼ばれる1940年代~1960年代のアメリカの文化やグッズが大好きで、将来自分の店を持ったらそんな空間を作りたいと思っていたんです。特に食器や家具、照明器具、古着などに興味があって、サラリーマン時代からそんなモノを見つけては少しずつ買い集めていました。
― コーヒーカップについてはファイヤーキングだけを使っているそうですね。
裕樹さん そうです。アンカーホッキング社が作るファイヤーキングシリーズの食器が大好きでずっと集めてました。1個4,000円くらいのものが多いんですが、ビンテージのものは2万円以上するものもあります。いろんなバリエーションがあるのでお客様の雰囲気で僕が選んでお出ししてますが、常連様はカップを指定される方もいらっしゃいますね。
― 料理皿はどのようなものを使用されていますか。
裕樹さん アメリカで販売されたアンティークものを使用しています。皿の裏にUSAの文字があります。たまに「MADE IN JAPAN」と書かれているものもありますが、昔日本からアメリカに輸出されて使用されていたものが逆輸入されたものなんです。
― 照明器具や家具についてもこだわりがあるそうですね。
裕樹さん はい、照明器具は50~60年くらい前にアメリカで使用されていたものを吊り下げています。カウンターで使用しているものは100年以上前に製造されたものなんです。家具もそれに合わせてウッド調のものやアンティークなデザインのもの、レトロでアメリカンなものなどを集めました。
― アンティーク商品が多いのでカップも皿も照明器具も割ったりしないようにしなきゃいけませんね(笑)
人気のパスタやスイーツ
― 人気メニューはやはりパスタですね。
裕樹さん お陰様で最近人気が出てきました。飲食業界で働いた15年間で一番パスタ作りに関わっていたので、パスタには特にこだわっています。現在15種類くらいのパスタメニューを揃えています。基本的な調理法をベースに様々な食材と組み合わせた創作系パスタです。イタリアのメーカー「バリラ」の乾麺を使用しており基本的に歯ごたえを楽しめるようにアルデンテで仕上げております。お客様の希望によっては少し柔らかくするなどの調整もできます。単品でもお腹いっぱいになってもらいたくてとにかくボリューム満点でお出ししています。
― 僕も何種類かいただきましたが、パスタに対しては特に強い想いが感じられますね。
裕樹さん 私は高級イタリアンや有名店で修業を積んできたシェフではありません。細かな技術や専門知識では、もっと優れた方はたくさんいると思います。ただ、私には「当たり前を当たり前のままで終わらせない」という強い気持ちがあります。昔から普通では満足できない性格で「もっと面白くできないか」「もっと美味しくできないか」を常に考えてきました。だからこそ、イタリアの伝統パスタをそのまま再現するのではなく、日本人が本当に「また食べたい」と思えるパスタを追求しています。これからも既成概念にとらわれず、今までにない創作パスタを生み出し、お客様に驚きと美味しさを届けていきたいと思っています。
たらこと半熟卵のとろーりカルボナーラ(1,300円)
ベーコンステーキナポリタン(1,250円)
和素材七種の和風月見とろろパスタ(1,150円)
― 確かにパスタは麺も具材もたくさんで僕もお腹いっぱいになりました。ところでパスタ以外の食事系メニューはありますか。
裕樹さん トースト類もアレンジメニューで8種類用意しております。フレンチトースト、ツナチーズトースト、粒あんバタートーストなど、ドリンクとセットで朝9時から楽しんでいただけます。オートミールを使った健康志向のオムライスも出してまして最近女性のお客様を中心に人気を集めています。
― ドリンクはどのようなメニューがありますか。
裕樹さん 珈琲は「久山珈琲」の豆を中心に使って、エスプレッソ、深煎り、中煎りなどからカフェラテ、カフェオーレ、カフェモカ、紅茶やジュース類などを用意しています。スイーツは、アイスクリーム、プリン、チーズケーキ、ティラミス、ムースなど幅広くご用意しています。2杯目のドリンクは半額サービスもやってます。またアルコールドリンクについては、ビール、ワイン、ウイスキー、焼酎やお酒に合うおつまみメニューもあります。
― これだけのメニューがあれば、家族連れから年配の方、男性も女性も若い人たちまで楽しみ方はいろいろですね。
裕樹さん ご近所の方に楽しんでもらえるお店になりたいので幅広い受け皿を用意してお待ちしております。もちろん、遠方からわざわざ来ていただけるお客様にはさらに感謝ですね。
バナナスムージー(600円)/コーヒー(500円)
フレンチトースト(500円)/とろけるなめらかきなこプリン(300円)
― スタッフ体制はどういう感じでしょうか。
裕樹さん 基本的には僕のワンオペですが、ランチタイムに合わせて週4回くらい調理が出来る女性スタッフの奈美さんが入ってくれてますのでお昼は2人体制です。彼女は飲食業経験者なので彼女がパスタ調理を担当してくれているのでとても助かっています。その時は僕がコーヒーを担当しています。土日は学生スタッフの音彩さんが手伝ってくれます。妻も手伝いに来てくれます。
頼りになるスタッフの奈美さん
将来の夢
― 開業されて1年なので将来についてというのはまだ早いかもしれませんが、何か夢はありますか。
裕樹さん 中学生の娘がいるんです。今はスポーツに明け暮れていますが、将来は飲食業界に進みたいと言ってくれているんです。まだ先の話ですが、そうなると娘と一緒に2店舗目の展開も考えたいですね。僕の地元の篠栗町でのパスタ専門店開業なども夢見ています。まあそれまで店が続けられるよう今は毎日一生懸命頑張るだけです。
― 週末になると奥様もお手伝いに来られていますし、娘さんも高校生くらいになるとバイトで参加されるかもしれませんね。アメリカングッズに囲まれた店を持つという長年の男の夢を実現された感がすごく羨ましいです。これからもご家族、スタッフさんと末永く次の夢を実現されるよう応援してます。頑張ってください。
裕樹さんと妻の綾さん
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