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メリットいっぱい!犬走りの役割と設計時の注意点

RKB住宅展

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家の外周に沿って、コンクリートや砂利などが細長く敷かれているのを見たことはありませんか?
これは「犬走り(いぬばしり)」と呼ばれるスペースで、昔の民家ではよく見られるつくりでした。現在の住宅では昔ほど見られなくなりましたが、実は犬走りにはさまざまなメリットがあります。
今回は、犬走りの役割やメリットと仕上げ材の選び方、設計するときの注意点について紹介します。

犬走りとは?

犬走りとは、建物の外壁に沿って設けられた細長いスペースのことです。名前の由来には諸説ありますが、通路とはいえ犬が走れる程度の幅であるということから「犬走り」と呼ばれるようになったという説が有力なようです。

もともとはお城の警護用通路として建物の周辺に設けられていました。それが住宅にも取り入れられるようになり、現代では主に外壁や基礎を泥はねから守ったり、建物の周囲を歩きやすくしたりするために設けます。

犬走りを設けるメリット

犬走りは必ずしも必須ではありませんが、立地条件や家周辺の使い方などによっては設けておくと便利です。

外壁や基礎の泥はねを防ぎやすい

犬走りの代表的な役割が、雨による基礎や外壁への泥はね防止です。土の地面に雨が落ちると、泥混じりの雨水が跳ね返って基礎や外壁の下部が汚れやすくなります。周囲に犬走りを設けておくと泥はねを抑えやすくなり、メンテナンスの手間も減ります。

家のまわりを歩きやすい

家の裏側にある給湯器やエアコンの室外機などを点検するとき、建物の周囲を通らなければならないことがあります。土のままだと、雨が降った後は足元がぬかるんで歩きにくくなりますが、犬走りがあれば家の周囲を移動しやすく、靴も汚れません。

雑草対策になる

防草対策を家の周辺に行っていない場合、家のすぐそばまで土があると雑草が生えやすく、定期的な手入れが必要です。犬走りをコンクリートなどで仕上げれば、土の露出を減らせるため、雑草の繁殖をかなり抑えられます。

防犯対策にも役立つ

犬走りの仕上げに砂利を敷いておくと、歩いた時に音が出るため、防犯対策としても有効です。建物の裏側など人目につきにくい場所から不審者が侵入を試みたとしても、歩行時の音が響くことで侵入を断念させる効果があります。

 

犬走りに使われる素材と特徴

犬走りに主に採用されることが多い素材をご紹介します。

コンクリート

犬走りの仕上げ材としてよく使われるのがコンクリートです。表面が平らで歩きやすく、掃除のしやすさ、雑草の生えにくさといった特徴があります。すっきりとしたシャープな印象なので、モダンテイストのシンプルな外観になじみやすいです。経年変化によるひび割れなどが生じた場合は、メンテナンスが必要です。

砂利

コンクリートのような無機質さを避けたい場合、自然な雰囲気に仕上がる砂利もおすすめの素材です。雨水が地面に浸透しやすい上に、歩いたときに音が出ることで防犯対策として効果があります。和モダンや和風の外観と相性がよく、落ち着いた雰囲気を与えます。歩行が比較的頻繁だと砂利が移動しやすいため、必要に応じて整地する手間が必要です。

インターロッキング

コンクリート製のブロックをかみ合わせて並べるインターロッキングは、耐久性の高さが魅力です。色やデザインも豊富なため、家の外観デザインに合わせやすいという特徴もあります。水はけのよい透水性タイプを選ぶと、雨の日でも足元を機にせず歩けますが、下地処理や目地材の充填を適切に施工しておかないと劣化しやすいです。

タイル

外観デザインに高級感を加えたいなら、タイルもおすすめです。外壁やアプローチの色・素材とコーディネートすれば、外構デザインの一部としておしゃれな犬走りに仕上がります。耐久性や清掃性が高い反面、重量があるタイプだと強固な下地施工が必要なため工事費が高くなりやすいです。

素材によって見映えや工事費用、メンテナンスの手間などは異なりますので、予算や外観デザインとのバランスを踏まえて検討してみてください。

犬走りを設計するときの注意点

メリットの多い犬走りですが、家づくりの段階ではいくつか注意したいポイントがあります。主な注意点を4つご紹介します。

必要な幅を考える

犬走りの幅には、一律の基準はありませんが、「泥はね対策がしたい」「人が通る通路として使いたい」など、設置の主な目的によって必要な幅が異なります。

たとえば、家の裏側を通って設備の点検をしたい、ガーデニング用品などの仮置きをしたいという場合は、人が無理なく通れるスペースを確保しておくとよいでしょう。一方、外壁を泥はねから守ることが主な目的で通行は考慮しなくてもいい場合は、狭めの犬走りでも問題ありません。「何のために犬走りをつくるのか」を明確にしておくと、幅を決めやすくなります。

排水を考える

犬走りを設けるときは、排水対策が必須です。特にコンクリートやタイルで仕上げる場合は、雨水が建物側に流れてしまわないよう、外側へ適切な水勾配をつけて雨水をしっかり排水できる設計を行うことが大切です。

設備との位置関係を確認する

家の外周には、エアコンの室外機や給湯器、メーターボックスなど、さまざまな設備が設置されます。犬走りを計画する時は、こうした設備を置いた上で人が通れるか、点検や交換のためのスペースが確保されているかを確認しましょう。

外構全体とのバランスを考える

犬走りの幅の広さは、設置目的に加えて外構とのバランスも考慮して決めるのがおすすめです。幅を広くすると歩きやすくはなりますが、アプローチや駐車場など、行き来が多い場所が狭くならないよう注意しましょう。たとえば、家の裏側は設備の点検やメンテナンスのために犬走りを設け、庭や駐車場に面した側は建物の近くまで植栽や芝生で仕上げるといった計画も可能です。

まとめ

犬走りは家づくりに必須ではありませんが、建物と敷地の間に適度な余白をつくることができます。また、用途に合わせた犬走りを設ければ、生活にプラスαの快適性を加えてくれます。

外壁の泥はねを防ぐ、建物の周囲を歩きやすくする、雑草を抑える、防犯対策に役立てるなど、さまざまなメリットがある犬走り。設置を検討する場合は、庭の手入れをするシーン、設備を点検するシーン、雨の日に家の裏側を通るシーンなどを想像しながら、必要な場所や素材、幅などを検討してくださいね。

WRITER
河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー
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住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

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