PageTopButton

銀歯の原料高騰で歯科医から悲鳴…ロシアが世界シェア4割 診療報酬を上回る

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、食料品や天然資源の不足や価格の高騰が世界的な問題になっています。こうした中、私たちに身近な医療の現場にも深刻な影響が広がっています。
パラジウムは、ロシアが世界生産の4割を占めています。ロシアがウクライナに侵攻して以来、流通が滞り価格が高騰しています。
福岡市内に2つのクリニックを持つよねしま歯科・矯正歯科です。パラジウムの仕入れ価格が高騰し、銀歯の治療で得られる診療報酬よりも高くなったため、治療をすればするほど赤字になるといいます。


よねしま歯科・矯正歯科 米嶋隆廣理事長
「金属価格は4、5年前の倍くらいになっている。かぶせものの銀歯をいれるたびに赤字が生じている状態。ウクライナ侵攻で拍車がかかり今後の動きが不透明」
厚生労働省が定める治療に使う材料の基準価格(告示価格)で、パラジウムは先月まで1グラムあたり3149円でしたが、今月1日から3413円に引き上げられました。

パラジウムを使う銀歯治療には保険が適用されるため、引き上げに伴って「保険点数」も上がることになります。窓口負担が3割の患者の場合、奥歯1本を銀歯治療すると、自己負担する額は、これまでと比べて数百円程度増える見通しだということです。
歯科治療の患者
「歯の治療費が高くなるのは困るんですけど、こういう状況なので仕方ない」

長期化するロシアのウクライナ侵攻。その影響は食品やエネルギーにとどまらず、こんなところにまで広がっています。
よねしま歯科・矯正歯科 米嶋隆廣理事長
「微々たるものですけど、患者さんにとっては支払いが少し増えている。何年か前と比べるともろに戦争の影響を受けているので、ここまで影響があるとは想像もしていなかった」

パラジウムの差金決済取引は今年3月にかけて急騰したものの、その後反転し去年夏ごろの水準まで戻しています。厚労省は相場の推移をみながら今年7月に再び告示価格を改定することにしています。

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう

radiko 防災ムービー「いつでも、どこでも、安心を手のひらに。」