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「休みの日は体が動かない」「終わり見えない」第7波直撃で保健所が再び“限界”へ―福岡

救急指令室と同様に感染拡大で再び激務となっているのが感染者や濃厚接触者の対応にあたる保健所です。第6波までの経験をもとに職員の負担を減らすよう新たな仕組みを導入していますが第7波の猛威によって現場は「限界」が近づいています。  

鳴り止まない電話 ショートメッセージ対応に切り替え

「今、お熱が39度3分あって」
「息苦しさとかはないですか?」
久留米市役所にある保健所の新型コロナ対策チームには、朝からひっきりなしに電話がかかってきます。新型コロナに感染した人の健康状態の確認や入院、宿泊療養施設の調整などさまざまな業務に追われています。
久留米市保健所・田中浩之課長「自宅療養者数が一気に増えて5000人を超えている、久留米市の人口が約30万人と仮定して60人に1人の陽性者が自宅療養」

配食サービスと健康観察は外部委託へ

久留米市はスタッフの負担を減らすための新たな仕組みを導入しました。
田中課長「1日700人台の陽性者が出て、一件一件での対応が難しいということで、より重症化リスクのある方は従来通りさせていただき、それ以外の7割の方はこちらからさまざまな情報をショートメッセージでお伝えすることに切り替えた」
これまでは感染が確認されたすべての人に電話をかけて聞き取りを行っていましたが現在は高齢者や重症化リスクの高い人などに対象を絞って電話をし、それ以外の人はショートメッセージで連絡するようにしました。
田中課長「第6波のときの経験も踏まえて私たち保健所がどこまで耐えられるか考慮したときにこの一手はどこかで打つタイミングがあると思っていた」「ただし中には不安な方もいらっしゃいますので専用の電話を持っているのでこちらに電話いただきたい」

そして、もう一つの課題が自宅療養者への対応です。久留米市では現在5000人以上の人が自宅療養を続けています。配食サービスの対応が保健所だけでは追いつかず、今年4月から民間企業に外部委託しています。
久留米市保健所保健予防課・井原香さん「食事の申し込みの窓口は外部に委託していますが、そこでは緊急的には対応できないので、緊急対応としてここでやっています」

スタッフは疲弊、市民からの手紙が支えに

また、健康観察の業務も外部に委託するようにしています。さらに、市役所の別の部署や民間企業からの応援スタッフも継続し対応にあたっていますが第7波の猛威によって現場は綱渡りの状態が続いています。
久留米市保健所保健予防課・井原さん「最近大分きてます、休みの日は体が動かない感じです」 北嶋さん「最終電車で帰るのも第7波で増えました。時々フラってなることもありますけどまだ大丈夫です。自分たちもきついですけど患者さんが一番きついので、頑張って乗り切りたいと思います。」

RKB吉松真希「入り口には、職員の方への感謝の気持ちを綴った手紙が貼られています」
こうした市民からの手紙がスタッフの心の支えになっていると話します。
久留米市保健所保健予防課・井原香さん「終わりが見えないからちょっと・・・、お家で外に出らずに陽性の方が頑張っていると思うと、やっぱり私たちが頑張らないとと思っています」
久留米市保健所・馬場里美さん「応援を仰ぎながら、簡素化できるところは簡素化しつつ、手を抜けないところはあるのでそこは丁寧に対応しながら」
田中課長「そろそろスタッフの疲弊もあるので、ローテーション組みながら今ある資源と新たにできることを走りながら考えながら対応していく」

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