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“ミスター珍”の恩返し

宮崎県宮崎市の檍(あおき)小学校。校門で毎朝、子供たちを迎える一人のおじいさんがいる。
「よ~がんばって来たね!」「今日もいいことあるよ~」と元気に声をかけるのは、近所に住む久保田義治さん74歳。仕事を退職してから、15年間、ほぼ毎朝この「挨拶運動」を続けている。「ミスター珍おはよう!!」と子供たち。この“ミスター珍”とは久保田さんの“芸名”。時折、マジシャンとして、小学校や福祉施設に出向き、得意の手品を披露している。「皆を喜ばせたい」と話す“ミスター珍”こと久保田さんだが、10代の頃、ケガの影響で左目を失明、右目の視力も50代から低下しはじめ、10年前に全盲となった。それでも、「自分に負けたくない!」との思いから、挨拶運動は毎朝欠かさず、マジックショーも奥さんの助けを借りながら以前と同じように、活動を続けてきた。
しかし5年前、献身的に支えてくれた奥さんを亡くし、気力を失ったことも。その時、元気づけてくれたのは、今まで見守ってきた子供たちや、地域の人たち。「みんなを笑顔にするのが、僕にできる恩返しなんです」。という久保田さんの想いと、日常を描く。

(制作:MRT宮崎放送 / ディレクター:高橋 晋作)

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