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No Limit ~両足義足のランナー~

2022年5月、障害者スポーツ先進県の大分県で、史上初めて両足義足のランナーが100メートルを走った。ランナーの名は久多良木隆幸さん(46)。

住宅リフォーム業の職人として働いていた4年前、作業中に突然高熱で倒れ2週間意識不明に…。久多良木さんを襲った病は、手足の先から壊死するという「電撃性紫斑病」。久多良木さんは両ひざ下と両手の指の一部を切断した。手術後も内臓系の疾患を次々と併発し、闘病生活は1年半に及んだ。妻・しずかさんは「助けて良かったのかと思ったこともあった」と振り返る。

病状も落ち着いてきたころ、久多良木さんはSNS上である動画と出あう。それは60歳の義足ランナーがマラソンを走っている姿だった。久多良木さんはすぐさまリハビリを開始。わずか1年で走れるまでに回復した。しかし両足義足となると切断面にかかる負荷が大きい上、久多良木さんは内臓系の疾患とも向き合い続けているため「年間通して痛くないときがないもんね」と語る。その情熱を支えようとリハビリ担当者や義肢装具士が毎週練習に集まる。走り始めて2年…。ついに全国大会出場が決定。己の限界に挑み続ける久多良木さんの日々を追った。

(制作:OBS大分放送 / 渡辺 敬大)

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