ＰＭ２.５から洗濯物を守る！ 魔法の洗濯カバー誕生物語

ＰＭ２・５による健康被害が大きな社会問題となった今年、「洗濯物をＰＭ２・５から守る」と大ヒットになった商品がある。その商品の名前は「マジカルカバー」。突然の雨から洗濯物を守るカバーシートだ。一見単純なシートだが、長年の研究と実験の末に、防水性と通気性を高いレベルで両立させたことで大ヒット商品となった。

生み出したのは筑紫野市の社員二人の小さな会社。このマジカルカバー誕生の裏には、日本の高度経済成長を支えてきたある職人技術者の妻への感謝の気持ちがあった。

池田孝治さん（６１）。もともと大手メーカーで設計を担当する技術者。しかし激務の連続に体を壊しついに早期退職する。なかなか次の仕事が見つからない中、家を守ってくれた妻の姿に「何か力になれるものを作りたい」と思った。そんなある日、突然の強い雨であわてて洗濯物を取り込む妻の姿を見た池田さんにある閃きが。しかし開発は難航を極めた。エンジニアらしく生真面目な池田さんは愚直にひたすら実験を繰り返しついにマジカルカバーが完成。

こうして生まれた商品は池田さんが思っていた以上の力を持っていた。日本人の物づくりの力は世界一だと断言する池田さん。その昭和の企業戦士が妻への感謝の気持ちから生み出したヒット商品。
その誕生物語を描く。