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究極のエコアイランドをめざせ!~久米島・海洋温度差発電~

海の表面の温かい海水と深海の冷たい海水の温度差で電気を作る「海洋温度差発電」。
24時間安定して電気を供給できる次世代エネルギーとして注目されている。

発電の副産物として得られる海洋深層水を活用すれば、大きな経済効果も見込めるという。 現在、日本で唯一の海洋温度差発電のプラントがある久米島では、 車エビや海ぶどうの養殖、温浴施設に化粧品会社などなど新しい産業が続々と誕生。

まだ実験段階の小規模発電ながら経済効果は20億円にのぼる。
何の資源も持たない離島にとっては恵みとも言えるプロジェクトだ。 島嶼地域の自立を目指し、このプロジェクトに情熱を注ぐ 町役場の職員・中村幸雄氏(53)さんに思いを聞く。
<取材先データ>
会社名:沖縄県海洋温度差発電実証設備
担当者:マーティン・ベンジャミン(見学担当者は斉藤さん)
住所:沖縄県島尻郡久米島町字真謝500-1(沖縄県海洋深層水研究所内)
電話番号:098-896-8655
HP:http://otecokinawa.com/jp/Tours/index.html その他:?見学は要予約 短時間コースとじっくりコース、学校関係者用コースあり

取材後記

資源の無い島国にエネルギーと水、食料を同時にもたらす夢のプロジェクト、
海洋温度差発電は 海表面の温度と深層水の温度差が20度以上になる 亜熱帯から熱帯の海に適しています。

日本国内で発電可能なのは、太平洋側の四国から九州以南。
火力発電や原子力発電に比べて熱量がきわめて小さいので、電力としての瞬発力は弱いものの、24時間安定した電力が得られるので、ベース電源に向いています。 深海に取水パイプを取り付けなければならず、初期投資費用はかかりますが、大規模にすればするほど安価になる、スケールメリットもあり、長い目で見れば実用的なクリーンエネルギーと言えるでしょう。久米島では、発電に使った深層水の再利用が進んでいますが、その経済効果は現在20億円あまり。 それまでの主要産業であったサトウキビ栽培の利益をはるかに上回っています。将来は、太陽光発電や風力発電などと組み合わせて、島全体をクリーンエネルギーで賄う計画だとか。電力も燃料も食料生産も、すべてが連携しながら経済的な自立を果たすこのモデル。

地球環境を守りながら経済的な発展も同時に目指す、画期的なプロジェクトだと思います。 世界中の南の海でのスタンダードな発電方法になるといいなあ。
担当:ディレクター 井上真喜

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