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紫外線でウイルス退治!

インフルエンザに未知のウイルスの脅威…。
感染症対策は今や世界的な課題となっている。 この分野で今注目を集めているのが、エネフォレスト(大分市)が開発した 空気殺菌装置「エアロシールド」、秘密は“紫外線”にある! 室内上部に設置し紫外線を水平に照射。すると天井付近に紫外線の層ができる。 対流する空気がこの層を通る際に殺菌される仕組みだ。様々な菌、ウイルスを退治。24時間効果を発揮するという。

その実力は米CDCもガイドラインに掲載し認めている。全国の病院や老人ホーム、幼稚園などで導入され、活用の場はさらに広がっている。 木原寿彦専務は、新たな製品の実用化にも取り組む。 ここ数年、相次ぐ自然災害。被災地では集団感染も発生している。 災害時を含め、感染症予防は、社会全体で取り組まなければならないと専門家も警鐘を鳴らす。 太陽の光とともに注がれる紫外線。その殺菌効果は100年以上前から知られていた。

自然が本来持っている力に“光”を当て活用した世界標準といえる殺菌技術。 紫外線の持つ可能性と、さらなる開発に打ち込む企業の奮闘に迫る。
<取材先データ> 会社名:エネフォレスト株式会社 担当者:木原寿彦専務 住所:大分県大分市木上394番地の12 TEL :097-588-8120 HP:www.eneforest.co.jp 
番組で紹介した空気殺菌装置「エアロシールド」は、主に、病院や老人ホーム、 幼稚園など病気への抵抗力の弱い人が集まる施設に導入されています。 開発したエネフォレストによりますと、紫外線を扱うだけに、 導入した施設に対しては、定期的に紫外線量のチェックを行うなど、安全管理を徹底しているとのことです。 製品は、開発したエネフォレストはもちろん、全国の代理店を通じて販売しています。 詳しい情報はエネフォレストに問い合わせて下さい。

取材後記

空気殺菌装置「エアロシールド」を開発したエネフォレストの木原寿彦専務(33)も話していたように、 紫外線というと、何かマイナスのイメージがありました。その紫外線が、ウイルスから人間を守ってくれる、 その意外性に魅かれて企画を立てました。 印象的だったのは、岐阜県土岐市消防本部の取材です。

「エアロシールド」は主に病院や老人ホームなど、病気への抵抗力の弱い人の集まる施設に導入されています。それが、救急車の中に設置されている。
患者はもちろん、救急隊員の感染予防が目的です。救急医療の現場がいかに感染のリスクと隣り合わせか、改めて思い知りました。 また、実際の効果だけでなく、隊員のストレス軽減にもつながっているとの言葉も心に残りました。

取材に応じてくれた東北大学大学院の賀来満夫教授は、全国メディアの番組にもたびたび出演する日本、いや世界の感染症学の権威です。 震災を経て、東北地方における新たな医療ネットワークの構築に尽力した賀来教授は、「感染症を防ぐには、組織、地域を越えた連携が必要」と繰り返し語りました。 災害時の避難所や東京五輪など大イベント、さらに考えたくはありませんがテロの脅威など、感染拡大が懸念される局面は数多くあります。 その一方で、決定的な予防策はなかなかないのが現状です。

紫外線は、本来太陽の光と一緒に地上に降り注ぐものです。
自然の力を活用して、ウイルスの脅威に対抗する。
この殺菌技術がさらに向上し、感染予防の有効策の一つとして活用される日が来るかもしれません。

担当:OBS大分放送テレビ制作部 恵良 孝秀

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