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ノーベル賞級の尊敬を集める日本人「Mr.トルネード」を知っていますか?

アメリカ中西部・南部を襲った史上最大規模の竜巻。その規模はF4以上ともいわれている。地震の「マグニチュード」にあたるこのFという尺度を生み出したのは北九州市出身の藤田哲也さん。

Fは「藤田スケール」の頭文字だ。Mr.トルネードと呼ばれ、アメリカ人の尊敬を集める竜巻博士について、RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』に出演した毎日新聞論説委員・元村有希子さんが解説した。
毎日新聞
元村有希子

竜巻発生の予測的中率は5%

竜巻は発生するかどうかも発生後の進路も予測するのが難しいんです。台風は気象衛星で見えるので「こういう進路で、だいたい何日ごろ来る」というのがわかります。

また、地球規模の台風に比べると、竜巻は局地的です。被災地域から200mも離れれば、まったく被害がないですし。アメリカでも竜巻が発生しそうな気象状況が重なったら、注意報や警報が出ます。

しかしその的中率は5%程度と言われています。ですから、一度起きてしまうと多くの被害が出る、ということが繰り返されています。

竜巻発生の予測的中率は5%

竜巻の規模を示す「藤田スケール」

竜巻は発生するかどうかも発生後の進路も予測するのが難しいんです。台風は気象衛星で見えるので「こういう進路で、だいたい何日ごろ来る」というのがわかります。また、地球規模の台風に比べると、竜巻は局地的です。被災地域から200mも離れれば、まったく被害がないですし。アメリカでも竜巻が発生しそうな気象状況が重なったら、注意報や警報が出ます。しかしその的中率は5%程度と言われています。ですから、一度起きてしまうと多くの被害が出る、ということが繰り返されています。
今回の竜巻もこれから調査が進めば、その威力を示す、地震のマグニチュードにあたるようなスケールが発表されることになります。

F0からF5まであって、今回はF4からF5ぐらいではないかと言われています。これが「藤田スケール」と呼ばれているもので、気象学者の藤田哲也さんがアメリカで編み出したものです。この藤田さんは現在の北九州市小倉南区出身で、私(元村さん)と同じ小倉高校を卒業しました。

日本よりもアメリカの人たちの間でよく知られていて、大リーグで活躍した野茂英雄投手よりもずっと前に「Mr.トルネード」という愛称がつけられました。もしノーベル賞に気象分野があったら必ずもらっていただろうと言われるほどです。

竜巻の規模を示す「藤田スケール」

藤田博士は郷土・北九州の偉人

今回の竜巻もこれから調査が進めば、その威力を示す、地震のマグニチュードにあたるようなスケールが発表されることになります。F0からF5まであって、今回はF4からF5ぐらいではないかと言われています。これが「藤田スケール」と呼ばれているもので、気象学者の藤田哲也さんがアメリカで編み出したものです。この藤田さんは現在の北九州市小倉南区出身で、私(元村さん)と同じ小倉高校を卒業しました。日本よりもアメリカの人たちの間でよく知られていて、大リーグで活躍した野茂英雄投手よりもずっと前に「Mr.トルネード」という愛称がつけられました。もしノーベル賞に気象分野があったら必ずもらっていただろうと言われるほどです。
この藤田スケールができたことによって、建物に予めこれぐらいの強度を持たせないといけない、という設計基準もできました。

たとえば、原発の壁の厚さはF4にも耐えられるように、といったように。そういう仕組みができるくらい、藤田さんってすごい人なんです。北九州市にあったテーマパーク・スペースワールドの跡地にできる市立の科学館には、藤田さんをフィーチャーしたコーナーができる予定です。

福岡に住んでいる人ならばぜひ知っておきたい、郷土の偉人です。藤田さんは1998年に亡くなっていますが、「Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男」(佐々木健一著・文春文庫)という本が出ています。私も文庫版解説を執筆しています。関心がある方は読んでみてください。

藤田博士は郷土・北九州の偉人

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